<ザ・トラベルナース>「ドクターX」モデルのスーパードクターが出演 医療従事者がエンターテインメントに携わる意義
--中井さん演じる静の言葉に「医者は病気を見つけて病気を治し、ナースは人を見て人を治す」というセリフがありますが、まさしくその言葉を体現しているような看護師ですね。
医師は、どうしても患者さんに関わる時間は短くなってしまう。そういう意味で、 患者さんのことを分かっているのは看護師さんなんですよね。患者さんを見て理解するということに関しては、恐らく医師よりも全然上なんじゃないかな。
--アメリカで働く医師として、日本の医療レベルについてどう思いますか。
日本の医療レベルは本当に素晴らしいです。コロナの時に日本で「医療崩壊」という単語が使われていましたが、ニューヨークやイタリアでは人工呼吸器が足りなくて、人工呼吸器を付けるか付けないかで患者を選択しなきゃいけない事態が起こっていたんですよ。 それで亡くなった方がたくさんいたのですが、あの時こそ完全に崩壊していたと思います。日本は卑下する必要は全然ない。日本人は、自己評価が厳しいからね(笑)。
ただ一点、日本の医療は“日本人に特化した医療”だというのはあります。体型や生活習慣がほぼ同じの単一民族なので、発症する病気も似てくるんですよね。そこに特化した医療に関してのレベルはすごく高いです。
◇「ドクターX」のように長く愛されるシリーズになるといいな
--今回「ザ・トラベルナース」への出演を決めた理由はなんなのでしょうか。
そんな大仰なものではなくて、ただ単に昔からエンターテイメントに対する興味があったので、単純にドラマに出てみたかっただけなんです(笑)。僕の話から生まれた作品だとは聞いていたので、なら「ちょっと出してよ」ってお願いをして、叶(かな)えていただきました。出たと言っても、エキストラ的な出演なんですが、うれしかったですね!
--勝手が違うと思いますが、緊張はありましたか。
緊張とかは全然なかったです。というのも、(撮影の)セットが本当に自然で“日本の病院そのまんま”なんですよ。研修医時代は日本で過ごしていたので、分かるのですが、本当にそのもの。そしてキャストの皆さんも、佇(たたず)まいが本当の看護師さんそのもので、そういった雰囲気に助けられたのかもしれません。何の違和感もなかったですね。