阿部巨人「阪神のような野球」お株を奪うしぶとさ 理想的な攻撃 交流戦キーマン間違いなく門脇…金村義明氏の眼
◆JERA セ・リーグ 阪神1―2巨人=延長10回=(26日・甲子園) 交流戦前の最後に、甲子園での伝統の一戦を制した意味はとてつもなく大きい。菅野も才木も状態が良く、打球が押し戻される浜風の中では、大量点も望めなかった。延長10回は小林、岸田のヒットに立岡の犠打と阪神のお株を奪うようなしぶとい攻撃で決勝点をもぎ取った。丸も決していい当たりではなかったが、スライダーをしっかり引きつけた犠飛狙いのようなスイングはさすがの一言だ。 2月のキャンプでインタビューした阿部監督は「阪神のような野球をやる」という趣旨の発言を繰り返していた。投手力を中心に守りを徹底する。四球や犠打を絡め、チャンスを確実に生かす。この日のようなロースコアをものにした戦いは、まさに理想像だろう。3位とはいえ、阪神に6勝5敗1分けと勝ち越しており、今後のペナントを戦う上でも自信にするべきだ。 パ・リーグとの戦いでは、何よりも打線の奮起が求められる。1番を任されている丸の頑張りは目立つが、上位打線の固定が欠かせない。阿部監督もスタメン復帰の時期を探っているとは思うが、カギを握るのは間違いなく門脇。攻守にハツラツとした姿を見せてくれれば、チームも一気に上向いていく。(スポーツ報知評論家・金村 義明)
報知新聞社