“バーチャル・レッスン”の未来はすぐそこに 最新技術はゴルフを変えるか
いまから10年前を思うと、周囲には“ガラケー”を使う人がまだ一定数いて、テレビ離れは話題になっておらず、ティックトックはサービスを開始してすらいなかった。それが、いまは? 元々の常識は新しい常識に取って代わられ、数年前には予想だにしなかった生活基盤が確立した。コロナ禍を経てデジタル化が促進されたことで、そのスピードは加速度的に上がったようにすら思える。 【画像】「これまでにないゴルフ」新リーグ TGLって? 2月29日(木)に都内で開催された「SPORTS INNOVATION STUDIO デモデイ&SCRUM CONNECT 2024」。その裏では日米のスタートアップ企業によるデモブースが用意され、最新テクノロジーを体験することができた。技術の発達は我々を、ゴルファーをどこへ導くのか? 気になったものを紹介する。
新時代のゴルフ体験はバーチャル空間で
VRやARといった「XR(クロスリアリティ)」分野の発展が目覚ましい。実は2019年には『みんゴル』のVR版が発売されており(早い!)、家にいながらゴルフ場でプレーしているかのような体験をすることができる。 黄色っぽい光に満ちたデモブースで大型のモニターを構え、異彩を放っていたのが米国の「ARCTURUS(アークトゥルス)」だ。人物などの空間データを迅速に3D映像化する「ボリュメトリックビデオ」を開発。現場では実際にゴーグルをつけて体験できた。 ゴーグルを装着すると、目の前に筋骨隆々の男性2人が現れた。リングで格闘技をしているところで、筆者はその真横に立っていた。通常であればレフェリーのいる位置だ。右に歩くと実際にリング内を移動するように視点が変わり、しゃがみこめば床でもつれ合う選手と目の高さが近くなる。苦しそうに顔を歪めるところまで見えるのだから驚いた。
CEOのカマル・ミストリー氏は次のように語る。「ボリュメトリックビデオは、これまでのどんな映像とも違うもの。人々は映像の世界に完全に没入して、本当にそこにいるような体験ができる」 この技術をゴルフで活用するとなればどうだろう? レッスンにおいては、スイングを撮影する環境さえあれば、どこにいても精密なスイング分析を受けられるようになるかもしれない。またトーナメント観戦では、これまでには考えられなかった“特等席”からプロのスイングを堪能できるようになるだろうか。 同イベントには、2025年に開幕する、リアルとバーチャルが融合した新時代のゴルフリーグ「TGL」を主催するトゥモロースポーツの副社長も出席していた。ハイテクノロジーとゴルフが融合した新リーグの話題をミストリー氏にすると、「(TGL側とは)もう話をしてあるよ」とのことだった。