アップル、AI新機能で需要喚起期待-4~6月期業績まだら模様
(ブルームバーグ): 米アップルは1日、人工知能(AI)の新機能の展開により今後数カ月でスマートフォン「iPhone」のアップグレードに弾みが付くとの見通しを示した。特に中国事業に打撃を与えている販売鈍化からの再浮上を後押しするという。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は4-6月(第3四半期)決算を説明する電話会見で、AI新機能「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」が新機種購入の新たな理由になると指摘。「人を強く引きつけるアップグレードサイクルの極めて重要な時期になるだろう」と語った。
同日発表した4-6月期決算では、中国での売上高が予想より大きく落ち込み、タブレット型端末「iPad」の新モデルの販売好調などで全体的には好調だった同社の業績に影を落とした。
4-6月期売上高は5%増の858億ドル(約12兆8000億円)と、増収に転じた。アナリスト予想平均は845億ドルだった。一方で中国は期待外れだった。同地域の売上高は6.5%減の147億ドルで、アナリスト予想の153億ドルを下回った。
アップルは減収の大部分はドル高の影響によるものだとし、中国での基本的なビジネスは以前より健全になっていると説明した。3カ月前に経営幹部は中国販売鈍化について、iPhoneの不振よりも、他の製品の低調な販売によるものだと述べていた。
ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)はブルームバーグテレビジョンに対し、「非常に競争の激しいスマートフォン市場であることは認識しているが、より広範な経済状況に照らせばわれわれはかなり順調だと感じている」と語った。
決算発表後の時間外取引でアップル株は一進一退。一時は1%強上昇する場面もあった。新しいAI技術が売上高を押し上げるとの期待感で、通常取引終値時点では年初来で13%上昇していた。
7-9月期
アップルは7-9月(第4四半期)の売上高が前四半期と同様のペースで伸びると予想し、5%程度の増収率になることを示唆。市場予想は4%増収だった。幹部らはアナリストとの電話会見で、サービス事業が7-9月期のハイライトとなり、2桁の伸び率となるとの見通しを示した。