安倍首相は米国とイランの仲介をできるか?
●特に注意が必要なのは……
特に注意すべきなのは、トランプ氏の極端なイスラエル寄りの姿勢です。イランとイスラエルは激しく対立しています。日本はトランプ氏と同じ態度は取れず、イスラエルとも、またイランとも友好関係を維持する必要があり、仲介するにしても、イラン側にイスラエル寄りだと思われないよう細心の注意が必要です。 安倍首相は、トランプ氏からイランとの仲介の要請を受けた際、受け答えの歯切れはよくはなかったと伝えられています。このことは評価できますが、本当に困難な局面はこれから始まります。
------------------------------------ ■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスタン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹