「運動」がもたらす人間関係のメリット
ロンドンに住むジャーナリストのクロエ・グレーが暑い日もヴィクトリアパークの周りを走り、毎晩フォームローラーを欠かさないのは、一緒に走る友達がいるから。 【写真】長生きの秘訣!? 親友がいると健康になれる5つの理由 以前の彼女はランニングが嫌いだった。息がゼーゼーするのも、自分の鼓動が脳天まで響くのも、たった5kmが永遠のように感じるのも嫌だった。 でも、彼女の親友がハーフマラソンに申し込み、ルームメイトも参加すると決めた途端にクロエはランニングが好きになった。あの解放感と自然な感じは癖になるし、何よりも、大好きな人と質の高い時間を過ごしながらできる点が気に入った。それに、足腰が痛いとか自信がないとか言いつつも仲間と一緒に10kmを走り切ると、この上なく強い“つながり”を感じられる。 フィットネスアプリ『Strava』のYear In Sport調査報告書2023によると、このアプリのユーザーが人と一緒にエクササイズをする最大の理由は社会的なつながり。大人の約半数がときどき、しょっちゅう、あるいは常に孤独を感じている英国では(サポートネットワーク『Campaign To End Loneliness』調べ)、エクササイズのような健康的な解決策を見つけることが特に重要なのだ。
エクササイズがくれる人とのつながり
運動中は人間の体内でもオキシトシンが産生されるので、そのホルモンによる幸福感が他者(この人たちもエクササイズを通じて“つながりモード”に入っている)との絆を深めてくれる。運動によってつながり感が得られるのには、心理学的な理由もあるのだろう。例えば、自然の中を歩きながら癒やされる会話をするウォーク&トークは、バーンアウトとメンタルヘルスを改善し、集中力を高め、仕事から得られる喜びを増幅させて、自尊心とマインドフルネスを養うとされている。これに自然の力が関係しているのは言うまでもないけれど、人と並んで体を動かしているときは、座っているときや向かい合わせのときよりも心を開きやすいという専門家の声もある。