『潜入兄妹』まだ明らかにされていないいくつかの“謎” 秘密を握るのは及川光博?
信濃(篠田麻里子)の罠にハマり、貴一(竜星涼)と朱雀(白石聖)が拉致されてしまった前回のラスト。優貴(八木莉可子)は入間(及川光博)に電話で助けを求めるのだが、そこで自分たちが“潜入捜査官”だと言っているところを偶然にも鳴瀬(伊藤あさひ)に目撃されてしまうのである。12月7日に放送された『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系)は第9話。次回が最終話になるとのことで、普通であればまだ明らかにされていないいくつかの“謎”の答えが徐々に見えてくるタイミングのはずだが、ここにきて新たな謎を上乗せしてくるとは。まさかの展開である。 【写真】青龍(桐山漣)と並んでいる鳳凰(藤ヶ谷大輔) 鳳凰(藤ヶ谷太輔)に呼び出された優貴は、2人が拉致されたことは幹部たちの計画通りであると見破る。鳳凰たちの真の狙いは、信濃が“初代・九頭龍”こと熊野(川瀬陽太)から奪った閻魔帳を取り返すこと。そこには詐欺に関わる様々な人物の本名と犯罪の証拠が記録されており、本当であれば熊野が死んだ時点で警察に渡るはずだったものだ。ところが熊野の娘が裏切り、それを“2代目・九頭龍”へと渡したのだと。その娘が信濃だったわけだ。そして鳳凰は、九頭龍の腹心の部下がもうひとり貴一たちのハコのなかに、兄妹が加わるよりも前から潜り込んでいることを告げるのである。 もうひとりの内通者の可能性があるのは、“ハコ長”の高津(入山杏奈)か、岩木(徳井優)か鳴瀬のうちの誰か。すでに幹部たちは、もっと大きな仕事がしたいと連絡してきた土器(岡井みおん)を使ってその内通者をあぶり出す作戦を仕掛けている。芦田(呉城久美)は以前のエピソードで九頭龍と通じていたことが判明し、貴一と優貴の兄妹が“預かる”状態でハコに留まっている。そして鳴瀬は、恋人のために組織を抜けたいと考えており、今回のラストで貴一たちのことを朱雀に密告した後、射殺される。つまりもう、どう転んでもハコの面々はバラバラになるしかないというわけだ。 案の定、今回のエピソードのなかではまだ内通者の存在は明らかにされないまま最終話へと持ち越される。しかもその最終話には、ここまで顔が一度も出てきていない“2代目・九頭龍”の正体という非常に大きな謎が残されているし、今回少しだけ語られたもののまだ不明瞭な鳳凰と青龍(桐山漣)の過去の真相(どうやら2人は幼い頃から一緒にいるようだが、血のつながった兄弟というわけではなさそう)も残されている。 さらには鳳凰が父・貴司(半田周平)を殺した証拠を掴むため、盃を交わした際に鳳凰が使用していたグラスを手に入れる兄妹。それを入間に渡してDNA鑑定を依頼するわけだが、捜査二課長の吉野(長尾純子)は入間からそれを奪っていく。ここでのふたりのやり取りが非常に不穏なものとして映されているのが気になるところ。一見すると、吉野が幻獣側とつながっているようにも見えるのだが、公式ホームページの次回のあらすじを見る限りは無事に鳳凰のDNA検査は行われたものと推測できる。となると、入間のあの表情。彼が何らかの秘密を握っているということなのだろうか。
久保田和馬