粘菌テーマに芸術展 20日から紀南アートウイーク、和歌山県田辺と白浜の10会場
芸術祭「紀南アートウイーク」(実行委員会主催、紀伊民報など後援)が、20日から始まる。形を変幻自在に変える「粘菌」がテーマ。和歌山県の田辺市と白浜町の計10会場で、国内外のアーティストが絵画や映像、彫刻などを展示する。29日まで。 【秋の運動会シーズン始まる 和歌山県田辺市でトップ切り、上芳養中で体育祭の記事はこちら】 芸術祭のタイトルは「いごくたまる、またいごく」。紀南の方言で「動き、集まり、また動く」を意味する。粘菌は、時に動物のように動き、植物のようにとどまり、胞子となって新たな場所に向かい、姿を変えながら環境に適応する。白黒はっきりした二項対立でなく、境界の不確かさや、相反するものの間を流れる軽やかさをイメージした。 田辺エリアの会場は南方熊楠顕彰館、SOUZOU(ソウゾウ)、ブレックファーストギャラリー、闘雞神社のほか、市街地野外展示(複数箇所)。徒歩で周遊可能なエリアにまとめた。 連携企画を展示する白浜エリアの会場は、アドベンチャーワールド、ノンクロン、川久ミュージアム、三段壁洞窟、南方熊楠記念館。会場ごとに会期が異なる。 実行委は「均質化が進む世の中で、粘菌が教えてくれる在り方のように、特定のある場所、視点、価値観にとどまらず柔軟に生きていくことを、作品やイベントなどさまざまな体験を通じ、発見できる芸術祭を目指す」と話している。 参加アーティストは次の皆さん。 ▼田辺エリア ヘアート・ムル(オランダ)、廣瀬智央、山田汐音、コン・ダラー(カンボジア)、黒木由美、杵村直子、タイキ・サクピシット(タイ)、チュオン・コン・トゥン(ベトナム)、カニータ・ティス(カンボジア)、あわ屋、久保寛子 ▼白浜エリア クヴァイ・サムナン(カンボジア)、ティタ・サリナ(インドネシア)、リム・ソクチャンリナ(カンボジア)、ゴック・ナウ(ベトナム)、メッチ・スレイラス&メッチ・チョーレイ(カンボジア)、山内光枝、前田耕平、秋田公立美術大学粘菌研究クラブ 各会場の展示内容は、紀南アートウイークのホームページで紹介している。特典付きのガイドブックを各会場やカフェ、書店などで配布している。
紀伊民報