「AI時代への準備」を進めるアップル iMac、mini、MBP続々と
主役はアップル独自チップのM4ファミリー
どうしても搭載するプロセッサの更新に目が行きがちだが、iPad ProあるいはMacとiPhoneの連携等から生まれた機能などを投入することで、定番の商品の機能を底上げしている。 ■M4ファミリーが完成 しかし、主役はやはり独自設計のチップであるM4のバリエーションモデルがひと通り揃ったことだ。一連の発表の最後に用意されていたのがMacBook Proだったのは、おそらくそのすべてのバリエーションを搭載するモデルだからだ。 M4ファミリーはベースグレードのM4が、今春の発表でiPad Proに搭載されていた。iPad Proには、消費電力の問題(発熱)からM3の搭載が見送られているのではないかと以前から言われていたが、先行してM4を搭載することで、最新バージョンに更新されていた。 このことからもわかるとおり、M4ファミリーの特徴は電力効率のさらなる向上である。Mac miniやMacBook Proで採用されているM4 Proは、M3 Pro(高性能コア6:高効率コア6)と比較すると高性能コアの数が大幅に増加している。 もちろんすべての設計要素は、最新の半導体技術によってアップグレードされているのだが、より高性能な方向に調整できているのは、電力効率が高まった影響が大きいと考えられる。 あらゆる性能が大幅に向上している。M4のパフォーマンスは、その電力効率に支えられていると言っても良い。省電力性はバッテリー駆動時間にも現れており、MacBook Proは14インチモデルも16インチモデルも、24時間のバッテリー駆動時間スペックを持つバリエーションが用意されている。もちろん、Mac miniが極めて小さいサイズで高性能と周辺機器との高い接続性を両立していることも、電力効率の高さの恩恵である。 別の切り口で見るならば、この電力効率の高さをより多くの処理回路を搭載する方向に調整したことで、M4 Maxの性能の上限を押し上げているとも言えるだろう。 さらにすべてのM4ファミリーは、新しい機械学習向け命令セットに対応し、また推論エンジンであるNeural EngineのスループットがM1世代の3倍に高められており、生成AIの時代に対応するシステム基盤となっている。