PTA私物化どこまで…工事代金1200万円水増しし役員の手に 日本PTA協への背任容疑で再逮捕 さいたま市P協の業務上横領事件でも起訴
公益社団法人日本PTA全国協議会(東京都港区=日P協)が発注した同会の建物の外装改修工事代金を水増しし、約1200万円を受け取って日P協に損害を与えたとして、県警捜査2課と大宮、浦和、岩槻署は17日、背任の疑いで、日P協元参与でさいたま市PTA協議会(市P協)元会長の会社役員の男(54)=さいたま市市中央区本町西5丁目=を再逮捕した。一方、さいたま地検は17日、市P協の業務上横領事件で、男と市P協元会長の男(59)を同罪でさいたま地裁に起訴した。 3千万円超える旅費なども追及 PTA私物化 市P協は既に除名処分 逮捕の男、全国組織の事務局を事実上統括
日P協は全国のPTA協議会で構成する全国組織。男は2018年に日P協の理事に就任し、専務理事などを務めた。犯行当時は参与で、日P協の事務局を事実上統括していたとみられる。 再逮捕容疑は22年8月10日~23年1月20日までの間、日P協のビルの雨漏りの補修や外壁の工事の担当者として、さいたま市内の業者に対し、工事代金を水増しして、水増し分を自己の利益にしようと考え、9回にわたって同業者の預金口座に水増しした工事代金を送金させ、日P協に約1200万円の損害を与えた疑い。県警は認否を明らかにしていない。 捜査2課によると、男と業者の代表は知人関係。男は業者に、水増しした工事代金の請求書を日P協に送付することを指示し、同時に日P協の事務局職員に支払いを指示していた。工事代金は、業者から男の関係会社を経由し、実際の工事代金などを差し引いた約1200万円が男の手に渡っていたという。日P協は今月、背任の被害届を大宮署に提出していた。
捜査関係者などによると、関係会社は男の親族が経営するさいたま市内の会社で、男自身も経営に関与していた。 県警は、業者の代表者らに任意で事情を聴くとともに、共犯者や1200万円の使途などを慎重に捜査している。 男は市P協の預金口座から現金を引き出すなどして、現金485万円を横領したとして、6月26日に県警に業務上横領の疑いで逮捕されていた。
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