アパレルデザインの未来を切り拓く、TFL×Style3Dが見せる新たな展開
2023年7月、日本初のファッションテック専門スクール「東京ファッションテクノロジーラボ(略称:TFL)」は、中国のアパレル3DCGトータルソリューション「Style3D」の日本市場における販売代理店契約を締結し、グループ企業の株式会社FMBにて販売代行を開始した。 Style3Dとは、中国のLinctex社(リンクテックス)が開発・提供するソリューションで、他のアパレル3D CADと比較して、利用者の専門性に左右されないさまざまなシーンで活用できるUI/UXが特徴だ。では、具体的に他のツールとは何が違い、どのような将来性があるのだろうか。 今回は、株式会社TFLのグループ会社である株式会社FMBの井手 文弥さんに、Style3Dの特徴や他ツールとの違い、今後の展望について話を伺った。
CADだけでなくトータルソリューションを提供
Style3Dは、中国全土だけでなく、ヨーロッパやアジア圏を中心にグローバルに展開している。コアとなる4つのプロダクトがあり、各プロダクトは独立した商品として展開され、用途に応じて組み合わせて利用することが可能だ。 以下、4つのコアプロダクトの概要をまとめたものとなる。 ①Style3D Studio:モデリング作業を行うソフト ②Style3D Fabric:ファブリック(生地)データの作成や編集を行うソフト ③Style3D Cloud:作成したデータを管理・共有するクラウド上のプラットフォーム ④Style3D Market:約50,000点のアセットを無料で利用できるマーケットプレイス 他の3DCGソフト(Blender、Maya、3dsMaxなど)との違いとして、衣服の3DCG製作に特化しており、3DCGでの表現が特に難しいとされる、ドレープやしわの入り方などの生地の重力下での動きをシミュレーションすることができる。 また、Style3Dとそれ以外のアパレル3DCADソフトの違いについて、「Style3Dは、サプライチェーンにおける川上から川下まで対応可能なトータルソリューションであり、ファッション産業におけるエコシステムです」と井手さんは教えてくれた。 従来のアパレル3DCADソフトは、サプライチェーンにおける川上の「企画」部分の課題解決に焦点を当てたソリューションと言えるが、Style3Dは「企画・生産・販売」といったサプライチェーン全体のトータルソリューションを提供しているのが特徴のひとつである。