どう見ても「ローソンにしか見えない駅」があったのですが… これは駅なのでしょうか?
「マチのほっとステーション」って言ってたな…ガチだ
岐阜県を走る長良川鉄道には、駅舎がコンビニエンスストアの「ローソン」になっているという、非常に個性的な駅があります。 【画像】驚愕!これがどう見ても「ローソンにしか見えない駅」です その駅は、長良川鉄道の起点である美濃太田駅から約10kmほど離れた場所にある、関口駅(岐阜県関市)です。 駅はホームが一つだけの1面1線で、上下線が同じ乗り場に発着します。ホームに降りてみると、住宅地の中にある「普通の駅」という印象。この段階では「ローソン駅」という感じは全くありません。 しかし、ホームから駅舎の正面に回り込んでみると、まぎれもなく「ローソン」がそこにあります。でも「LAWSON」の看板の右側には「関口駅」と併記されているのです。建物のホームと反対側には、車両のイラストまで描かれていて、クルマで来店した利用者にも「駅」であることをアピールしているようです。 店内に入ってみると、ぱっと見は普通の店舗です。ただ、イートインコーナーに長良川鉄道の時刻表や写真が掲示されており、独自色が伺えます。長良川鉄道の観光列車「ながら」や、関市の名物である鰻をPRするパンフレットも置かれていました。 関口駅は朝夕ラッシュ時は毎時2本、日中が毎時1本の運転です。空調が効いたコンビニ内にあるイートインコーナーは、待合室としても有難い存在だと感じました。
駅の管理や防犯面でもメリット
駅の北側には岐阜県道58号線が通っており、沿道にはロードサイド店舗も多くあります。コンビニ前の駐車場に出入りする車も多く、鉄道よりはクルマを利用して来店する人が多い印象。駅から南に0.5kmの場所には岐阜県立関高校があり、学生の利用もあるようです。 関口駅はもともと、1952年12月に長良川鉄道の前身である国鉄越美南線の駅として開業しました。1986年12月、越美南線が第三セクターの長良川鉄道に移管されました。 駅は当初、喫茶店が併設された駅舎でしたが、その店舗が閉店した後、長良川鉄道が跡地の事業者を募集。そこでローソンが出店することになり、出店に合わせて駅舎も建て替えられ、2013年8月、コンビニと駅舎を兼ねる現在の建物になりました。 ローソンと一体化した駅は、かなり珍しい存在ですが、高知を走る路面電車「とさでん交通」の後免町停留場も、ローソンと一体化された構造になっています。鉄道事業者にとっては、利用者に対するサービス向上だけでなく、駅の管理や防犯面でもメリットがあり、本物の「マチのほっとステーション」となっているようです。 長良川鉄道の観光名所である郡上八幡に行くなら、乗り降り自由のフリー切符を片手に、関口駅で途中下車するのも良いでしょう。ちなみに、関口駅から0.8km離れた場所には、「美濃の法隆寺」と言われる新長谷寺もあり、徒歩で約10分ほどです。
乗りものニュース編集部