「MCBクリプト格付け」大型アップデートについて:マネックスクリプトバンク格付け評価 注目ニュース
マネックスクリプトバンクでは、2023年7月に独自の暗号資産格付評価モデル「MCBクリプト格付け」を発表し、30種類の暗号資産を7つの項目別に相対評価してきた。公開後にはメディアでも取り上げられる機会があり、暗号資産および金融関係者の間でも大きな注目を集めた。 そこから我々は初期のMCBクリプト格付けについて様々な専門家にヒアリングを行い、各所で得られたフィードバックをもとに、より良い格付評価モデルの考案に向けて試行錯誤を重ねてきた。 今回はそこでの議論を踏まえて大幅にアップデートしたMCBクリプト格付けの詳細を発表する。以下ではアップデートの内容と新しいモデルにおける格付け結果について、今後の格付け方針と合わせて詳しく説明したい。
1. データの種類に応じた格付けの分割
前回の格付けでは、流動性やカタストロフィーリスクのような市場データに基づく指標と、スケーラビリティと分散性やハッキングリスクのような市場以外のデータに基づく指標を統合的に評価していた。しかし、市場データに基づく指標は相場全体の動きに影響されやすく、また暗号資産プロジェクトの内容を代表するものではないため、コミットメントやガバナンス等のプロジェクト固有の性質とは区別して評価するべきだと考えた。 そこで今回の格付けはデータの種類に応じて、暗号資産のマーケットデータに基づく指標を評価する「マーケットパフォーマンスセクション」と、暗号資産プロジェクトの運営主体に関する指標を評価する「プロジェクトアセスメントセクション」と大きく2つのセクションに分割し、それぞれで総合評価を算出することにした。今回は前者の詳細について発表する。 マーケットパフォーマンスセクションに関して、詳細は以降の項目で述べるが、代表的な指標としては出来高、時価総額、騰落率、トップアドレスによる占有率などが含まれている。大きな特徴としては、前回の30銘柄を上回る約50銘柄を評価対象に含めている点である。国内の上場銘柄だけでなく国外での主要な銘柄も評価対象とし、より多くの銘柄の市場での状況をチェックできる状態を目指す。これは当初の格付けの意義として掲げた「要素を絞って格付けすることで性質の異なる通貨に対しても一定の判断基準で比較・評価することができる」という点を一層強化するための変更である。 プロジェクトアセスメントセクションは現在開発中であるが、プロジェクトのガバナンスやチームのコミットメント、トークンエコノミクスなどを評価する指標を作成し、プロジェクトの現在の立ち位置を比較可能にすることを目指している。こちらのセクションでは対象を15銘柄程度に絞る。銘柄数は限られるがその分、個別銘柄のリサーチを徹底して行い、どこよりも詳細で価値のある情報提供を行いたいと考えている。これは格付けのもう一つの意義として掲げた「投資家に対して見るべき重要なポイントをわかりやすい形で情報発信することができる」という点をさらに向上させるための施策である。 このように明確に役割を分担した二つのセクションで暗号資産を総合的に格付けし、ユーザーにとってよりわかりやすく、利便性の高い、良質な情報提供を行っていく予定である。