「柔道だけでなく人生にもかかわる」 首手術の斉藤立に代表監督が気遣い「急かすつもりない」
所属先の井上智和監督が明かす
パリ五輪柔道100キロ超級代表の斉藤立(22=JESグループ)の実戦復帰が1年後になる見通しであることが3日、分かった。所属先の井上智和監督が講道館杯の会場で取材に応じ、頚椎のヘルニアのために10月30日に関東の病院で手術を受けた斉藤の状態を説明。復帰時期に関して「来年のこの大会(講道館杯)で」と話した。 【画像】「最後の礼は美しい柔道家の姿だった」 日本人選手が畳を降りる前に示した品格の姿 斉藤は今年5月ごろから右手に違和感を覚えていたといい、パリ五輪後の精密検査で「首(頚椎)の6番目と7番目の骨の間に大きなヘルニアがあった」と井上監督。複数の病院で検査を受けたが、いずれも同じ診断だったという。 日常生活には支障はないものの「五輪を目指すなら、早く手術をした方がいいという判断。最終的には本人が決めた」と説明。手術は7時間に及んだが、術後の経過もよく「2、3週間入院し、リハビリをして練習復帰までには半年くらいかかる」と話した。 男子日本代表の鈴木桂治監督は「昨日見舞いに行き、会ってきた。歩いてトイレにいくなどできている。術後の痛みはあるというが、時間が解決してくれるはず」と話した。ただ、手術箇所が首だけに「柔道だけでなく、人生にもかかわる」と心配した。 来年の世界選手権出場は絶望的だが「柔道ができる体を取り戻すのは数か月では無理。急かすつもりもないし、こちらから復帰について話すこともない。まずは、しっかりと治すこと」と、体を気遣いながら話していた。 荻島 弘一 1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。
荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima