中・韓全土、米国などを「渡航中止勧告」に コロナで政府、「レベル引き上げ」は何を意味する?
世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。そのなか、日本の外務省は31日、中国・韓国の全土、米国、ブラジルなど49の国・地域に対して「渡航中止勧告(レベル3)」に引き上げ、それぞれの国・地域に暮らしていたり、渡航予定があったりする人に対して、感染症予防の観点から渡航中止するよう強く訴えました。すでにレベル3を出しているイタリア、スペイン、イランなどと合わせ、計73の国・地域(※記事最下部に一覧記載)がレベル3となっています。同省は、これら以外の全ての国・地域についても一律にレベル2(不要不急の渡航の自粛)に引き上げました。これらのレベルは何を意味し、どのように決められるのでしょうか? 行政学者に聞く「ロックダウン」 強制力は? 市民生活はどうなる?
安全対策の目安となる「4つのレベル」
外務省が新型コロナウイルスの感染危険性がある「渡航中止勧告」などとして国外の国や地域に出してる情報は、「感染症危険情報」と呼ばれており、危険度に応じて4段階のレベルが設定されています。 「4段階のレベル」は次のように定義されています。 (レベル1)=「十分注意してください」 (レベル2)=「不要不急の渡航は止めてください」 (レベル3)=「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」 (レベル4)=「避難してください。渡航は止めてください(退避勧告)」
そのレベルはどのように決められるのでしょうか? 外務省のHPによると、(1)世界保健機関(WHO)など国際機関の対応(2)発生国・地域の流行状況(3)主要国の対応――などを「総合的に勘案して」判断するそうです。ただ、これらはあくまで海外地域での安全対策の目安であり、渡航や滞在を制限する強制力はないと記されています。 外務省のHPで、各地のレベル情報を地図上で確認することができます。
治安勘案した「危険情報」も
外務省は、海外の特定の国・地域に対して「危険情報」も出しています。こちらは、「治安情勢を総合的に判断した上で発出」するものです。具体的には、(1)政情不安(2)暴動(3)内戦(4)テロ(5)一般犯罪(6)自然災害――などの状況を勘案し、日本人が渡航・滞在する場合の安全対策の目安を示すものだとされています。 レベルは、感染症危険情報と同じ分類で4つのレベルに分かれています。同省は3月25日、「渡航先の国・地域において行動制限を受けたり、出国が困難となる事態を防ぐため」として、全世界を一律に「レベル2」としました。