【MLB】 見知らぬ人から習った変化球で大ブレイク パイレーツのホルダーマン 大谷を打ち取ってドジャース3連戦の勝ち越しに貢献
日本時間6月5日から7日に行われたドジャースとパイレーツの3連戦は、中地区最下位のパイレーツが西地区首位のドジャースに2勝1敗でシリーズを勝ち越した。第1・2戦の勝利の原動力ともなったのが、連日ホールドを記録し、第2戦ではピンチで大谷翔平を打ち取ったコリン・ホルダーマンだ。今季21登板・防御率0.92と大活躍中のホルダーマンは、ブレイクのきっかけとなった"武器"を見知らぬ人から教わったという。『MLB.com』のアレックス・スタンフが特集している。 【動画】ピンチを切り抜けるパイレーツ・ホルダーマン(MLB.comより) 現在、パイレーツのセットアッパーとして活躍するホルダーマンは、トレードで加入する2年前まではメッツ傘下に所属していた。AAAでヤンキースの傘下と対戦する試合前、ホルダーマンがチームメイトに呼ばれると、そこにはホルダーマンの知らないヤンキース傘下の選手がいた。その選手はホルダーマンがスライダーを投げることを知っており、その代わりにヤンキースが傘下の投手に教えていた”ワーリィ"という球種を投げることを勧めた。その試合のブルペンで、ホルダーマンが教わったばかりの新球種を試すと、ブルペン捕手はその球種のキレに驚嘆したという。新球種を身に着けたホルダーマンは結局、その2022年に自身初のメジャーデビューを勝ち取った。 ホルダーマンが見知らぬ選手に教わった新球種"ワーリィ"とは、ホルダーマンが今投げているスイーパーの別称。ホルダーマンは去年まで3割弱しか投げていなかったスイーパーを、今年は速球系よりも多い48.3%の割合で投じている。スイーパーの被打率はわずか.114、空振り/スウィング率も39.4%とその威力は折り紙付きだ。スイーパーを増やしたおかげで、昨年被打率.298だったシンカーの割合を減らすことができ、さらにシンカーの被打率も.174にまで改善。加えてスイーパーと回転軸が似たカッターも向上し、球種間の相乗効果が増したことが、防御率0点台のブレイクの要因かもしれない。 ホルダーマンは「彼は僕のキャリアを変えてくれた。彼の名前を知ることができたらいいのに」と、名もなき恩人に感謝している。