なぜ久保建英はU-20日本代表に選ばれなかったのか?
5月下旬からポーランドで開催されるFIFA・U-20ワールドカップ2019へ向けて、14日から千葉県内で行われる3日間のトレーニングキャンプに臨むU-20日本代表候補メンバー21人が11日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。 正式メンバー発表前では最後となる今回のキャンプには、昨シーズンのJリーグ新人王を獲得したMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)、公式戦で6試合連続無失点を継続中のGK大迫敬介(サンフレッチェ広島)らの主力が招集された。一方でJ1の舞台で代えのきかない存在感を放ちつつある、17歳の久保建英(FC東京)は選外となった。 ワールドカップ出場権を獲得した昨秋のU-19アジア選手権で、久保はFWとして準決勝までの全5試合に出場してチームをけん引した。年末のブラジル遠征でも引き続き招集されたが、今年3月はヨーロッパへ遠征したU-20代表ではなく、MF齊藤未月(湘南ベルマーレ)らとともに、ひとつ上のカテゴリーとなる東京五輪世代のU-22代表の一員としてU-23アジア選手権予選を戦った。 今回のトレーニングキャンプは、U-22代表の活動とは重複していない。ならば、エース格の久保はなぜ選外となったのか。理由は2つ考えられる。まずは実力を把握しているという判断のもと、齊藤とともに所属チームでフル回転している状況が考慮されて、休養を与えられたことだ。 5度の先発を含めてリーグ戦で全6試合に出場している久保は、10日のサガン鳥栖とのYBCルヴァンカップでも後半17分から、予選リーグ3試合目にして初出場。終了6分前に決勝点となる直接FKを叩き込み、55年ぶりに秩父宮ラグビー場で開催されたサッカーの試合で歴史に名を刻んだ。 リーグ戦におけるプレー時間を見れば、すでに427分間に達している。期限付き移籍した横浜F・マリノス時代を含めて、昨シーズンまでの合計251分間を、開幕から1ヵ月半が経過した時点ではるかに超えている。今後の戦いを考えれば心身に蓄積しているはずの負荷も考え、正式メンバー決定後の5月中旬から開始予定の直前キャンプ、そして本大会へ備えさせるのがベターとなる。 もうひとつの理由は、U-20代表から久保を卒業させるかたちで、U-22代表として来夏に迫った東京五輪へ、あるいは年齢無制限のフル代表へ挑戦させていくプランが描かれていることだ。