鯨の尾肉に過去最高1キロ80万円 日新丸、セリで“有終の美” 山口・下関
下関漁港地方卸売市場(山口県下関市)に7日未明、今季の操業で廃船が決まっている捕鯨母船「日新丸」が最後に捕獲したイワシ鯨の生鮮肉が上場し、約2トンがセリにかけられた。最上級の尾肉には、過去最高のキロ80万円の値が付いた。
上場した鯨肉は、捕鯨最大手の共同船舶(東京都中央区、所英樹社長)が10月27~29日に北海道根室沖で捕獲した雄1頭、雌2頭の計3頭の生鮮イワシ鯨から取ったもので、今月7日に下関港に荷揚げした。
午前2時15分に生鮮鯨肉のセリが始まり、特上の尾肉に3者が札入れを行った。その中で最高値を付けたのは、仲卸の山口(同市、山口栄二社長)。買受人の古谷隆二専務は「下関は鯨の街ということを全国に強調したかった。最初から必ずセリ落とそうと思った」と話し、「日新丸が最後に獲ったということも(金額の価値がある)」とうれしさを表した。共同船舶の所社長は「下関市場では毎年高値を更新し、高評価を与えてもらえる」と感謝した。
下関中央魚市場によると、この日の相場は尾肉の平均が1万5870円(前年は2万円台半ば)と値を下げ、赤肉は平均3080円、小切れは2000~2300円、白剥(しらはぎ)が360~1000円などで買われた。
下関市は、生鮮鯨肉の上場を記念して市内35店舗の飲食店で、生肉が食べられるフェアを7日から12日まで開催。なくなり次第終了となる。