コウノトリが子育てに選んだ町、兵庫・上郡に巣塔完成 電柱に繰り返し営巣、胸痛めた住民ら「安心して子育てを」
上郡町初となるコウノトリの人工巣塔を建てた住民団体「上郡町でコウノトリを育む会」は、同町中野にある巣塔の「お披露目会」と「巣塔見学ウォーキング」を実施した。 【写真】大雨で水辺が出現、コウノトリも大集結 河川敷が「幻の楽園」に 今年3月、同町高田地区の電柱で、撤去しても繰り返し巣を作るつがいに胸を痛めた住民らが「コウノトリが子育てに選んだ町」の象徴として巣塔の建設を決めた。建設資金はクラウドファンディングと募金で集め、11月下旬に高さ約14メートルの巣塔を民有地に建てた。 12月14日のお披露目会には町内外から賛同者約35人が集まった。募金が全国約700人から寄せられ、目標額100万円以上の約255万円が集まったことを報告。今後の活動方針などを会員が説明した。 同16日の見学ウオーキングは町内外の25人が参加。巣塔前や周辺を40分ほど歩き、過去に飛来した場所や撮影ポイントなどを訪ねた。途中、千種川上空付近を優雅に舞う2羽のコウノトリを発見し、双眼鏡で確認したり歓声を上げたりして参加者は大興奮だった。 お披露目会と見学ウオーキングに参加した主婦(59)=姫路市=は「20年前に豊岡で飛んでいる姿を見てコウノトリファンになった。上郡の巣塔は鳥の生態を考えて工夫されており、安心して営巣と子育てをしてほしい」と期待を寄せた。 次回の見学会は来年1月13日午前10時から。高田公民館前に集合する。参加無料。申し込み不要。小雨決行。(豊田 修)