【デスク便り】2冠馬ドゥラメンテ、最強馬イクイノックス…名馬の母たちが制したマーメイドS
東京開催の5週連続G1が終わり、先週、今週はJRAのG1がありません。先週は大井で「ダート3冠」の東京ダービーが行われ、今週は関東オークス、各地で熱戦が繰り広げられています。JRAのレースでは、来週に宝塚記念を控え、今週は唯一の重賞、マーメイドSを当てて、「いい流れをつくりたい」と、多くのファンが思っているのではないでしょうか。 競馬はブラッドスポーツ。生産者たちが血統にこだわって、最強のサラブレッドを生産します。マーメイドSは牝馬限定のG3で、06年からハンデキャップ戦となっています。過去10年で10番人気が3回、7番人気が2回勝っている荒れる重賞。そういう予想する面での楽しみとともに、繁殖牝馬選定のレースという面で非常に重要なことを知っておきたいです。 15年の勝ち馬は8番人気のキングヘイロー産駒シャトーブランシュ。藤岡康太騎手を背に豪快な大外一気を決めました。みなさんご存じ、昨年、世界一に輝き、日本馬史上最高のレーティングを獲得している最強馬イクイノックスのお母さんです。 04年に武豊騎手を背にこのレースを勝っているのがアドマイヤグルーヴ。97年エアグルーヴとの母娘制覇を果たしました。アドマイヤグルーヴとキングカメハメハが交配されて生まれたのが、15年に皐月賞、ダービーの2冠を制したドゥラメンテです。 アドマイヤグルーヴの前年、10頭立てだった03年の覇者がローズバド。その子ローズキングダムは10年のジャパンCを制しています。 ここを勝った馬は名馬、歴史的名馬の母になる可能性が高い。もちろん、アドマイヤグルーヴはG1馬ですし、ローズバドもクラシックで好走した実力馬。ただ、シャトーブランシュはこのマーメイドSが唯一の重賞タイトルでした。数年後、十数年後、このレースからつながるドラマがある…、そう思うと、G1級にワクワクする牝馬限定のハンデ重賞です。【競馬デスク@大阪中之島】