大谷翔平のMVPに異論 米リポーターが“守備に就かない事実”を再強調「打撃が守備力のある選手より価値があるなら」
メジャーリーグはレギュラーシーズンの佳境を迎え、各個人タイトルの行方も徐々に話題となり始めている。そうした中で、話題の尽きないのが、大谷翔平(ドジャース)だ。 【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン 金字塔に迫る規格外の活躍が続いている。右肘に執行した手術からのリハビリもあり、今シーズンは打者に専念。その影響から打撃成績を向上させ、現地時間9月3日終了時点で打率.293、44本塁打、46盗塁、OPS.994とハイアベレージを記録。史上初の「シーズン50本塁打・50盗塁」の大偉業に迫っている。 抜群の身体能力を誇るスーパースターたちでも未踏の境地に入ろうとしている大谷。その実現性が高まり、巷で論じられているのが、キャリア3度目となるMVP受賞の可能性だ。仮に手にすれば、フルタイムの指名打者選手では史上初の快挙だ。 近年のメジャーのMVP投票で重要視されるようになっている指標「WAR」は、守備に就かない指名打者選手にはマイナス補正が懸かるのだが、今シーズンの大谷は、「7.1(bWAR1位)」「6.1(fWAR2位)」と上々。さらに50-50に迫る活躍はインパクトも十分と言えよう。 ただ、守備に就かない(就けない)大谷のMVP推挙の風潮には“反発”も少なくない。 米YouTubeチャンネル『The Inside Scoop』などに出演するリポーターのマイケル・マリーノ氏は自身のXで「リンドーアは守備をする。オオタニはそうではない。リンドーアはナショナル・リーグのfWARでトップ。だがオオタニは違う」と指摘。メッツの遊撃手であるフランシスコ・リンドーアを評価し、「今年のナショナル・リーグのMVPは間違いなくリンドーアであるべきだが、オオタニのホームランは投票者(記者)を唸らせるだろうね。なんとも残念だ」と皮肉った。 さらにドジャース・ファンと思われるアカウントから「オオタニの打撃はリンドーアよりも価値があることを示している。今のところ、彼(大谷)が取るべきだ」と指摘されたマリーノ氏は「それはその通りだ。打撃が守備力もあるリンドーアより価値があるのなら、オオタニが勝つべきだ」と返答。その上でこう続けている。 「だが、それこそがWARの存在する理由だ。そしてリンドーアがナショナル・リーグ1位の数値を残している理由でもある。彼は最高の守備力に、素晴らしい打力、素晴らしい走塁を持っている。彼はすべてをエリートレベルでこなしているんだ。つまりMVPだ」 おそらくMVPを巡る議論は受賞のその瞬間まで尽きない。こうした娯楽性を生み出すところも大谷のスターたる所以なのかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]