阿部巨人、同点7回に井上&平内投入し決勝点…一日天下「いい経験にして成長していって」バルドナードと高梨は連投回避
◆JERA セ・リーグ ヤクルト3―1巨人(12日・神宮) 5戦ぶりの敗戦にも、指揮官は淡々としていた。同点で迎えた7回に送り出した井上がピンチを作り、今季初登板となった平内が決勝打を許して逆転負け。阿部監督は「使ったのは僕なんでね。それをいい経験にして成長していってもらいたいなと思います」と責めることはしなかった。 【動画】阿部監督がケージでフルスイング 同点の7回、左打者が続くため、阿部監督は22歳左腕の井上をマウンドへ送った。だが先頭の丸山和に四球を与えると、送りバントで1死二塁の危機を作った。オスナは右飛に打ち取ったが、村上に四球を与えたところで降板。代わった今季初登板の平内がサンタナに右前安打を浴び、勝ち越しを許した。8回には20歳右腕の京本も追加点を与えた。 台所事情もあった。ファーム調整中の大勢の代役守護神を務めているバルドナードが10、11日の同カードで連投したため、ベンチ外。この試合のクローザーはルーキーの西舘らが候補だった。高梨もベンチ入りしていたが連投していたため、万全な状態の左腕は、大江と井上の2人だった。 だがあえて経験の浅い井上にマウンドを託したのは、先を見据えてのことだ。杉内投手チーフコーチは「こういう場面で1イニングをぴしゃりと抑えられるかどうか。先頭の四球はダメだけど、その後にどれだけ打者に向かっていったかが一番大事。監督もその態度を見たいって言ってるから」と狙いを明かした。先発ローテ入りを目指す井上や、今季初登板となった平内らが、正念場の夏場へ向けてこの敗戦から学び、大きく育つことを求めている。 今季2度目の同一カード3連勝を逃し、阪神に1日で首位を明け渡す形となったが、3カード連続の勝ち越し。大勢と中川が不在の中、ブルペン陣が一丸となって接戦をものにしている。「いい1週間だったし、来週また切り替えてね。一戦一戦、大事にやっていきます」。結果と育成、両方を求めながら長いシーズンを戦い抜く。(井上 信太郎)
報知新聞社