義理の兄妹なのに、外だとお互い気付かない!?同居するのにすれ違いなラブコメ「メガネ男とメカクレ女」が甘々すぎる【作者に訊く】
道ですれ違ったサラリーマンの男性と女子大生。お互い内心で「かっこいい人だったなぁ」「かわいい子でしたなぁ」と思ったものの、そもそも2人は同じ家に暮らす義理の兄妹――!? 【漫画】「メガネ男とメカクレ女」を読む 「恋心は解離する」や「不眠男と空腹女」など、オリジナルの創作漫画をSNS上で発表し人気を博すたけみつ(@take_samurai1)さん。2023年9月から2024年2月にかけて連続公開された「メガネ男とメカクレ女」は、内気で思い込みがちな妹「千鶴」と、家ではひと昔まえのオタクのイメージそのままな義兄「大和」、親の再婚で同居がはじまった新米兄妹の関係を描くラブコメ作品だ。 人見知りで怖がり、それゆえに感情が暴走しがちな千鶴と、ある理由から家庭内で垢抜けない男を演じる大和、そんな2人は早々と意気投合するが、千鶴の想いは恋に移り変わっていく――、というストーリー。養子縁組による義理の兄妹は結婚できるとはいえ、兄と妹という立場ゆえに近くて遠いもどかしいやり取りに、第1話にはX上で3.4万件を超える「いいね」が寄せられるなど大きな反響を呼んだ。 そんな同作は、たけみつさんの前シリーズ「不眠男と空腹女」のサブキャラクターを主役に据えたスピンオフ作品。この一作で独立した作品として楽しめるとともに、前シリーズとの繋がりにも読者から好評を博した。番外編を長編シリーズとして描くのははじめてだという作者のたけみつさんに、スピンオフ作品ならではの制作事情をインタビューした。 ■「そのキャラがストーリーを作る」スピンオフで気付いた話作りのポイント ――本作はたけみつさんの前作「不眠男と空腹女」のスピンオフとしてシリーズ化した作品とうかがいました。描いたきっかけやシリーズ化の経緯について教えてください。 【たけみつ】僕自身、前作の不眠男と空腹女を電子書籍化したらそのおまけでちーさん(本作の主人公：千鶴)の漫画を描けたらな、とは思っていました。それでどんな話を描こうかと考えていると、話がどんどん頭の中で膨らんでいって、これはおまけじゃ終わらないなーって。それに前作を読んでくれた方にも続きを読みたいと言ってくれる方が多かったので、じゃあ新作で描こうかと考えました。 ――頭の中で思いが盛り上がりがちな千鶴と、仕事とプライベートでキャラが全然違うと思いきや…な義兄・大和の関係性にニヤけます。2人を描く上でこだわった点や、こんなやりとりをさせたい！と力を入れたシーンがあれば教えてください。 【たけみつ】千鶴に関しては前作である程度キャラ付けが決まっていたので、それを伸ばす方向に描きました。前作でドM設定がちらっと出てたので、それを伸ばす方向で描いたらおもしろいキャラになるんじゃないかって。義兄に関しては結構手探りで描いてましたね。千鶴に好かれるキャラってどんな感じだろうと考えた結果、あんな感じになりました。 ――「不眠男と空腹女」では主役だった琴音が、本作では千鶴のよき相談相手として描かれています。スポットを浴びるキャラが入れ替わったことや、ストーリーを引き継いで千鶴と義兄の関係を描く上で意識した点はありますか？ 【たけみつ】琴音に関しては、もうハッピーエンドを迎えたあとなのでとにかく幸せそうにしてるっていうのを意識しました。個人的にはもう少し出番をあげたかったのですが、ページ数や話のシチュエーション的に難しくてあんな感じに。その分サブキャラとしてお母さんの出番が増えました。 ――また、本作で新たに試した制作手法や、普段描かないようなシチュエーションなどはありましたか？ 【たけみつ】今作に関しては、ほとんど「不眠男と空腹女」と同じような描き方をしてたので、新しい描き方はあんまりしなかったですね。物語的には千鶴に悲しい目にあってもらって、話にメリハリつけた方がいいのかもしれませんが、描いててどうしてもそういうシチュエーションにならないなこの2人はと思いまして。ほとんど2人が楽しそうにしてるシチュエーションばかりだったんじゃないかなと。 ――2月に完結を迎えた同作ですが、描き切っての思いや、同じ世界観で別の作品を作ったことでの発見などを教えてください。 【たけみつ】前作と同じ世界観ということで、同じような話の展開になるんじゃないかと最初は思ってました。でも、やはり琴音と千鶴ではキャラが違うので、琴音とは違ったおもしろさ、かわいさを千鶴で描けたかと思います。同じ世界観、似たような設定でもキャラが違うだけで別物にできるんだなって。物語はやはり、作中のキャラが自分の考えで動いて、そのキャラがストーリーを作るんだなって、そう再認識しました。 取材協力：たけみつ(@take_samurai1)
