大塚愛さん(41)「私はこれ!」と決めずに日々アップデートしたい|VERY
自分の「定番」は決めすぎないほうがいい
──VERY読者は育児や仕事などで大忙しの人が多いです。自分のことは後回しで、以前は好きだった趣味やファッションにも時間やお金をかける余裕があまりないので自分の「好き」を見失ってしまうという声も……。 そうですね、復帰後はヘアスタイルを変えましたが、いまだに髪型は模索していて、しっくり着地したことはないかもしれない(笑)。ファッションについては、Acne Studiosと出会ってから好きなテイストがはっきりしました! お買い物でよくチェックするのは、メゾン マルジェラ、sacai、AKIRANAKA、N°21、マルニなど。とはいえ、最近は、もはや「私はこれ」と決めずに日々アップデートし続ける状態がいいんじゃないかな、という境地に至っています。髪型もファッションも「自分らしいって、こういうこと」と決めつけてしまうと、実はテイストが古くなっているのに新しいスタイルに挑戦できない……みたいなことにもなりかねないと思っています。
実は堅実派。曲が売れてもブランド品が買えなくて……
──ファッション好きは昔からですか? 若いころ、ファッションについては自分がしっくりくるテイストがよくわかっていなかったし、堅実な感じだったと思います。今日は大好きなステラ マッカートニーの靴を履いているのですが、20代のころはいくら好きでも恐れ多くて履けなかった(笑)。ブランドものを気軽に身につける金銭感覚で生きてこなかったし、いつ仕事がなくなるかわからないし、そもそも一人っ子だから親の老後も心配で。むやみにお金を使うのが怖い、と本気で思っていました。当時は税理士さんに「なんでも節約すればいいわけではないですよ。必要なことにはちゃんと使ってください!」と怒られたりしていましたね(笑)。
育児中の自分の姿を重ねた曲
──ご自身の30代を思い返して、「これをやっておけばよかった!」と思うことはありますか? 30代は子育て中心だったのですが、私自身、「育児がつらい」という感覚はあまりなかったんですよね。体力的にキツいことはありましたが、育児って他人の「正解」や「教科書」が我が子には当てはまらなかったりするものですよね。「これで合っているのかな」と試行錯誤する不安はあったけれど、30代は子育て以外にとくにやりたいことがあまりなかったかもしれないです。復帰後にリリースした『Re:NAME』という楽曲は、「探し求めていたゴールは、子どもに会うことだった」といった思いを歌詞にしました。「これをやっておけばよかった」と思い返すのはもっと若いころのことですね。今思えば時間のあるあのころに思い切って海外に留学すればよかったです。