広島22年ドラ1斉藤 勝負の3年目となる来季へ、西武を3回完全で首脳陣へ成長アピール
◇練習試合 広島6―3西武(2024年11月13日 天福) 広島の日南秋季キャンプに参加する斉藤優汰投手(20)が13日、西武との練習試合(天福)で、首脳陣に成長ぶりをアピールした。先発で3回36球を投げ、無安打無与四死球の完全投球。それでも意識高く「今日は良くなかった」と自己評価は厳しかった。22年ドラフト1位で入団し、来季は勝負の3年目。1軍で台頭し、先発ローテーションに割って入る意気込みだ。 今季最後の対外試合で、次代のエース候補が成長ぶりをアピールした。西武との練習試合に先発し、新井監督ら1軍首脳陣が見守る前で3回をパーフェクトに抑える圧巻投球。だが、登板後の斉藤に笑顔はなかった。 「ある程度ゾーンの中に投げられたけど、良かったところは特にない。偶然です」 初回1死から、同じ22年ドラフト1位の蛭間、今季台頭した西川を連続で一ゴロ。2回には、主力の5番・外崎を空振り三振に仕留めた。決め球は浮いたカットボール。修練中のフォークを含め、狙った変化や軌道ではなく、それが厳しい自己評価の主因だった。 「外を狙ったボールが、ふけて上にいっちゃった感じです。続けてあれをできるかと言われれば微妙。運が良かった感じなので」 次代のエース候補。1年目の昨秋、侍ジャパンを練習試合で2回零封して飛躍が期待されたものの、右肩痛で約2カ月間のリハビリ生活を強いられた今季はウエスタン・リーグで登板7試合、0勝3敗、防御率6・11と不完全燃焼に終わった。 だからと言って、期待の大きさは変わらない。5日の侍ジャパンとの練習試合(2回1失点)から、10日の西武戦(1回無失点)、そして今回…と、今秋の登板3試合は全て、英才教育とも言える対外試合。見守る新井監督の評価は上々だ。 「(打者を)圧倒したかったから、納得していない…となったのかな。でも、こちらから見ると良かったと思いますよ。ポテンシャルは素晴らしいものがあるし、目標を高く持つのはいいこと」 勝負球として使うため、筋力トレーニングで直球を磨き、フォークの精度を高めることに主眼を置く秋。「全部できているわけじゃないけど、それなりには形になっているんじゃないか…と」。意識高く目標設定するあたりも成長の証だ。 「課題に取り組み、来年につながるキャンプにしていきたい。(3年目は)1軍で投げないといけない。そう考えています」 勝負の来季。1軍のし烈なローテーション争いを勝ち抜き、表舞台できっと輝く。 (江尾 卓也) ◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日生まれ、北海道岩見沢市出身の20歳。苫小牧中央では甲子園出場経験なし。22年ドラフト1位で広島入団。2軍通算12試合0勝4敗、防御率5.13。1メートル89、94キロ。右投げ左打ち。