「馬に乗りながら馬を探す」世界のことわざ、日本のことわざに意味が近いものは? 中学入試「国語」問題に挑戦!
最近の中学入試の国語の問題では、「考える力」をキーワードに、グラフなどの資料から考えさせる問題や、知識の丸暗記では解けない問題が増えてきているそうです。声の教育社の猪狩斉大さんに解説してもらいます。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年10月号』(朝日新聞出版)からお届けします。 【問題】中学入試で出題された“ことわざの難問”と答えはこちら(2枚) ■グラフなどの読み取りから「考える力」を問う 最近の中学入試の国語の問題の傾向の一つは、「考える力」をさまざまな形で問う問題が増えていることです。 例えば、説明文や物語文をもとに、筆者の主張や登場人物の気持ちを読み取ったり、自分の考えを述べたりする問題のほか、グラフなどの資料が示されて、そこから読み取れることを考えさせる問題などをよく見かけるようになりました。これは、重要な情報を選り分け、整理する力も同時に試しているといえます。 ■知識の丸暗記では解けない 知識問題などでも、さまざまな形で「考える力」が必要な問題が見られるようになっています。例えば、湘南白百合学園中学校の国語では、さまざまな国のことわざの日本語訳が六つ示され、それぞれが日本のどのことわざの意味に近いかを選ばせる問題が出されました。こうした問題を解くには、ことわざをただ丸暗記するだけでなく、その意味をしっかりと理解しておくことや、初めて見る海外のことわざからその意味を推測し、比較する力が必要です。 また、漢字では、「十干十二支」や「ご進物」、「海を望む」と「海に臨む」の区別など、漢字自体は小学校で習うものの、意味や読みが難しいものが見受けられます。日常生活のさまざまな場面で言葉に接し、読み方や意味がわからなかったらすぐに辞典などで調べて確認する習慣をつけましょう。 ■24年度に出題された問題を解いてみよう! 神奈川県 湘南白百合学園中学校(2024年度 4教科入試 国語) 問 次の(1)~(6)は世界のことわざです。これらのことわざは、日本のどのことわざの意味に近いですか。最もふさわしいものを後から選び、それぞれ記号で答えなさい。 (1) 〈フランス〉犬は猫を生まない Les chiens ne font pas des chats. (2) 〈イタリア〉天は明るい人を助ける Gente allegra il ciel l’aiuta. (3) 〈スペイン・メキシコ〉空中に城を建てる Hacer castillos en el aire. (4) 〈インドネシア〉命が髪の毛一本にかかっている Jiwa bergantung di ujung rambut. (5) 〈オランダ〉治療より予防 Voorkomen is beter dan genezen. (6) 〈ドイツ〉馬に乗りながら馬を探す Er sitzt auf dem Pferde und sucht es. ア 風前の灯 イ 灯台もと暗し ウ 絵に描いた餅 エ 転ばぬ先の杖 オ 笑う門には福来る カ 蛙の子は蛙 (日本ことわざ文化学会『世界ことわざ比較辞典』を参考)
正解 問 (1)カ (2)オ (3)ウ (4)ア (5)エ (6)イ
ジュニアエラ編集部