もっと知りたい北方領土(7)北方4島周辺水産業の現状 漁船のだ捕や銃撃も
(2)「北方4島周辺水域における日本漁船の操業枠組み協定」は、北方4島周辺の12カイリ水域(領海)で日本の漁業者が漁をできるようにする取り決めであり、1998(平成10)年に発効しました。こちらも毎年協議が行われ、操業条件が話し合われます。今年の漁獲量は、スケトウダラ955トン、ホッケ777トンなど。この協定でも、水域の資源管理に役立てるための協力金を渡しています。 (3)「日ロ貝殻島昆布採取協定」は、歯舞群島の貝殻島付近において、日本の漁業者がコンブ漁をできるようにする取り決めで、発効したのは1963(昭和38)年です。毎年、北海道水産会という民間団体とロシアの関係当局とが話し合って収穫できるコンブの量を決め、採取権料をロシア側に支払って漁を行います。 今日、旧ソ連およびロシアにだ捕・銃撃される船および人数は総じて減少しており、これら協定によってもたらされた結果と言えそうです。しかし今後、北方領土の返還が実現するなど大きな動きがあれば、協定の中身や北方4島周辺の漁業のあり方にも大きな影響がおよぶと考えられます。 (取材・文:具志堅浩二)