<高校サッカー>東海大仰星、大金星の裏に強豪・ラグビー部の存在
迎えた選手権の大阪府予選。決勝で因縁の阪南大高、それも正真正銘のAチームを3‐2で撃破した結果が、東海大仰星の成長の跡を物語る。Jクラブの内定者はいない。決して器用でもない無印軍団が快進撃を続ける秘訣を、松井はラグビーの合言葉『One For All, All For One(一人はみんなのために、みんなは一人のために)』に通じる戦い方に重ねている。 「たとえ一人が抜かれても他の選手が助けるプレーは、日々の練習から意識しています。僕たちは組織力を1年間磨き上げてきたし、試合でも色気を出すことなく、チームの戦いに徹すれば勝てることを全員がわかっている。それが今日の試合でも出たと思う」 劇的勝利から数時間後に、花園で準決勝に臨んでいたラグビー部も桐蔭学園に29‐21で逆転勝ちした。連覇をかけた決勝の相手はくしくも東福岡。その前哨戦に勝利したと、松井は屈託なく笑う。 「サッカー部が勝ったぞと、ラグビー部にも刺激になっていると思う。僕たちは去年、最高の舞台で最高の景色を見させてもらった。ラグビー部が味わったあの喜びとともに、大阪に帰りたい」 ともに7日に大一番へ臨む。2時間先に埼玉スタジアムでキックオフを迎えるサッカー部が再びラグビー部へエールを届ける勝利を青森山田(青森)から奪えば、大阪勢では1973年大会の北陽以来、実に43年ぶりの決勝進出チームとなる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)