「LVMHプライズ」セミファイナリスト コッキにインタビュー
デザイナーの価値は特別高くない、コッキが持ち回り制でデザインを手掛けるワケ
ーデザインは全てディレクターのKokiさんが担当している? いえ、全くそんなことはないです。製作フローとしては、まずディレクターの僕が全体のアイテム数やカテゴリー割合など、ざっくりとしたコレクション構成を考えます。ここで用意するのは本当に大まかな方向性だけがイメージできるようなラフスケッチだけで、他のデザイナーさんが描くようなデザイン画は準備しません。考えた構成を基にチームでディスカッションしてメンバーの希望などをヒアリングしながら、僕が各メンバーに適切なアイテムを割り振り、それぞれが担当アイテムのデザインを手掛ける、といった流れですね。コッキのコレクションには、生産管理がデザインしているものもあれば、パタンナーが手掛けているものもある。もちろん僕が担当しているアイテムもあります。まさにチーム全員がデザイナーといった感じですね。 ーチームでデザインを手掛けることのメリットは? 何ですかね。難しい質問です。複数人がデザインしたアイテムが混在していることでコレクションに幅が生まれるといったことはあるかもしれないですけど。逆にデザインを1人で完結させない分、製作がスムーズに進まない時があるといったデメリットはすぐに思い浮かびますね(笑)。 ー明確にこれといったメリットがない中で、チームでデザインを続けている理由は? 多分コッキでは、デザイナーというポジションの価値を、特別高く考えていないんだと思います。生産やセールスなどと同じ、デザイナーもブランドを支える1つの役割。デザイナーを置くとどうしてもそこが主役として見られてしまうので、チーム全員でモノづくりをしているといった意味を込めて、持ち回り制でデザインしています。 あとは純粋に、チームメンバーみんなでモノづくりしている感覚がとても楽しいからです。コッキは、仲間同士で集まって和気藹々と服を作っていたのが原点ですから。今までチームでコレクションを作ることに対して損得勘定はしてこなかったですし、今後もあまり考えないと思います。 ーメンバーそれぞれに個性があり、担当者によって服のデザインに幅が生まれるといった話もありましたが、逆にデザインチームメンバーの共通点を教えてください。 モノづくりに対しての“姿勢”ですね。趣味やライフスタイル、服作りのモチベーションなどはバラバラかもしれませんが、自分が作る服にどこまでのクオリティを求めるのか、そのためにどれだけ妥協せずにクリエイションに向き合えるかといった気持ちの部分は揃っていると思います。ここさえ同じ方向を向いていれば、ほかは違っていてもいいのかなと。 ーチームワークはどうですか? チームはいい雰囲気だと思います。共通の友人を交えてみんなで登山に行ったりもしますが、前提としてビジネスパートナーなので、仕事とプライベートの線引きはしっかりしているつもりです。 ちなみに、チームメンバーはバイクや釣り、登山などアウトドア系の趣味を持っている人間が多いです。僕だけインドア派なんですが(笑)。 ーKokiさんの趣味は? ゲームですかね。ポケモンにハマっていて。昨日もちょうどファッション関係の仕事をしている友人と集まってポケモン対戦をしました。 あとはインドアとは少し違いますが、走ることも好きです。特にルールを設けているわけではないですが、20分くらい家の近くを走って帰宅して冷水を浴びるというルーティンを冬以外は週に1~2回のペースでずっと続けていますね。