ユーロ2024のベルギーに圧倒的存在感のウイング 誰もジェレミー・ドクを止められない
もっとも、ベルギーが世界に誇る看板選手といえば、ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)が離脱しているいま、デ・ブライネになる。スロバキア戦ではいまひとつ元気がなく、敗因のひとつと言ってよかったが、ルーマニア戦では尻上がりに本来のプレーを披露した。得点にも絡んだ。ベルギー浮沈のカギを握る選手であることは間違いない。 優勝候補と呼ぶにはスケール不足。だが、優勝候補を倒す力は秘めている――。 初戦に敗れたことで自らの立ち位置を理解したのではないか。フランス、ドイツ、イングランド、スペイン、ポルトガルにとってはいやな存在だろう。繰り返すが、世界広しといえど、いまのドクを止められるSBはいないのである。もちろん、ウクライナ戦で一番の注目選手になる。
杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki