ロス山火事でバイデン大統領「大規模災害」宣言…5人死亡、1100棟焼失し40万戸停電
【ロサンゼルス=冨山優介、ワシントン=池田慶太】米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で7日、3件の山火事が相次いで発生した。8日午後5時時点で5人が死亡、負傷者が多数出ており、約1100棟の建物が焼失した。米CNNの推計では、15万人超に避難指示が出された。強風と空気の乾燥が続いたため、被害が拡大したとみられ、消火活動は難航している。
ロサンゼルスの西側でハリウッド俳優も住む高級住宅街パシフィック・パリセーズと北側のアルタデナ、シルマーで火が急激に広がり、焼失面積は100平方キロ・メートルを超えた。ロサンゼルス郡によると、山火事により複数の学区で休校となった。ロイター通信は、8日午後時点で約40万戸が停電になっていると伝えた。
避難指示を受けた住民らは急いで対象区域から脱出した。地元メディアなどによると、道路が迅速に通行止めとなり、車を乗り捨てて逃げる人も多かった。ロサンゼルスの避難所で取材に応じた会社員女性(55)は、パシフィック・パリセーズ近くの職場から7日に避難した。「煙がすごい勢いで広がって、あっという間に空が暗くなった。仕事中でほとんど荷物を持ち出せなかった」と振り返った。
バイデン大統領は8日、大規模災害を宣言した。公務でカリフォルニア州を訪れていたバイデン氏はこの日、パシフィック・パリセーズ近隣の消防署で火災について説明を受けた際、「火災を封じ込め、復興を支援するために必要な限りあらゆることをする用意がある」と強調した。同州では近年、山火事が頻発している。