県境またぐ移動「減少幅3~5割」 専門家「自粛要請レベルでは限界」
新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議が1日開かれた。その後の記者会見で、北海道大の西浦博教授は政府が緊急事態宣言を発出した4月7日の前と後のデータを比較した結果を紹介した。そのうえで、都道府県をまたいだ移動については「都心に通勤し続ける限り、自粛の要請というレベルだと限界があるということが明確にデータから見られた」と話した。 【会見ノーカット】政府の専門家会議 感染者減でも「外出自粛などの継続」提言
これまで専門家会議では人の流れに基づいて人と人の接触割合を測ってきたが、今回からは年齢層別の接触率を加味した計算方法に変え、より細かい単位でどのような属性の人がどのような属性の人と接触したかが分かるようになったという。 西浦教授らが分析したのは今年1月17日と4月24日のデータ。
例えば、渋谷駅周辺の接触率は平日の昼は49%減、夕方以降は62%減だった。一方、細かく見ると、10代と10代の人の接触は90%減少、20代と10代の人の接触も81%減ったが、30代以上の減少幅は少なかった。
一方、県境をまたいだ移動による接触については「東京都圏、大阪府と他の府県の相対的減少が少ない。神奈川と茨城、神奈川と群馬など遠隔同士の移動は60~70%減少したという。 会見では、副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構・理事長)も「都道府県をまたぐ移動を見ても3~5割の減少に留まることが多く。都心などへの通勤を続ける限り、生産年齢人口の接触頻度の減少度合いが少ないことがだいたい分かってきた」と話した。