3割打者、両リーグで3人 投手が進化、戦略変化も影響か―プロ野球
プロ野球は交流戦を終え、各球団が60試合余りを消化。 規定打席到達者のうち打率3割をマークしているのが両リーグ合わせて3人のみとなった。セはヤクルトのサンタナ(3割1分4厘)だけ。パもソフトバンクの近藤(3割4分6厘)と日本ハムの田宮(3割3分1厘)しかいない。 【写真】セ・リーグで打率トップに立つヤクルトのサンタナ 近年は「投高打低」の傾向が顕著で、昨季は3割打者が計5人(セ3、パ2)。トレーニングの進化による平均球速の向上や、ボールの回転などを可視化するテクノロジーの有効活用で、投手が優位に立ったとの見方が多い。今季の開幕直後には、選手や首脳陣から「ボールが飛ばない」との声も上がっており、打者が苦しんでいる印象がより強い。 セはチーム打率が最も高いDeNAでも2割5分。1998年に前身の横浜が優勝した際の2割7分7厘に比べると大幅に低い。「マシンガン打線」の中軸を担い、同年の首位打者を獲得した鈴木打撃コーチは「当時は150キロを超えていたのは抑え投手くらい。今は負けた展開で出てくる投手でも投げるから打者は大変」と選手を気遣う。 ヤクルトのベテラン青木は、投手の進化に加え、戦略の変化にも要因があるとみている。「打率が残らない分、四球でもいいから一塁に出て、そこから長打で1点を取る野球が増えている気がする」。青木が3度目の首位打者を獲得した2010年はセで14人、パでは13人の3割打者が生まれた。一方で、同年の12球団の投手が与えた9イニング当たりの四球数は2.99で、投手が圧倒しているはずの今季の2.77と大きな差はない。 米大リーグでは好打者の指標としてOPS(出塁率と長打率を足した値)が重視されるようになって久しい。青木は「打率3割が全てではない。チームへの貢献を考えると、それよりも大事なものはある」と指摘する。(成績は20日現在)。