犬飼貴丈の人生最大の転機は小6の時の引っ越し「全てがポジティブな方向に変わってくれました」
もっともっと幅広い役にチャレンジしていきたい
年下ではあるものの、俳優歴の長い中川さんから改めて学ぶものも多かったという。 「例えば、走ってきて到着するシーンがあると、「ヨーイ、ハイ」ってなるまでずっと動いてるんですよね。そういう基本的なことを一つ一つ忘れずにやっていく感じ。ある程度何年かやっていると、それすらも芝居の技術みたいなものでこなしてしまうというところもあるんですけど、中川くんはそういう基本を忠実に、しっかりやっている。人としても素晴らしいなと思うし、作品に向き合う姿勢から覚悟をもって俳優やってきたんだなという重みも感じました」 そうした人との出会い、作品との出会いを経て、俳優としてどんな変化、成長をしていきたいか、今後についてを聞くと、まっすぐに答えてくれた。 「いろんな役をやるよねって言われるように、またもっともっと幅広い役にチャレンジしていきたいなと思いますし、自分の趣味でもある音楽活動もちらほらやっていければと思っています。俳優としてだけではなく、犬飼という人間の幅を広げていければ、というのが今の思いです」 インタビュー中、まっすぐな視線でまっすぐな言葉で語りつつ、そのワードチョイスで犬飼さんのユニークさも感じた。「役の幅が広い」という話で、「いろいろウロウロしてますね」と返す。犬飼さんのウロウロは、スイートなラブから、クズ男、さらにはダークな世界の住人まで、軽やかに渡り歩くウロウロで、次のウロウロがまた楽しみになってくる。 犬飼貴丈(いぬかい・あつひろ) 1994年6月13日生まれ、徳島県出身。2012年第25回『JUNONスーパーボーイ・コンテスト』グランプリ受賞。2014年、昼ドラ『碧の海~LOVE SUMMER~』で俳優デビュー。2017年9月スタートの『仮面ライダービルド』で主演を務め、注目を集める。2019年、連続テレビ小説『なつぞら』、2020年、映画『ぐらんぶる』で竜星涼とともにW主演。以降、大河ドラマ『青天を衝け』、『サレタガワノブルー』、『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』などに出演。10月スタートの『私の町の千葉くんは。』(テレビ東京)にも出演。 田部井徹
田部井徹