『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』担当編集が語る堀越耕平のスゴさと原作完結に向けて「一番すごいところ」と思うこと
劇場版第4作目となる『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』が、8月2日(金)より全国公開された。オリジナルストーリーによるキャラクターたちの活躍、映画オリジナルキャラの登場、そしてついに迎える原作の完結。気になることだらけの同作について、連載開始時から4年間担当を務め、現在は『ヒロアカ』のメディア担当をしている「週刊少年ジャンプ」編集部の門司健吾副編集長に話を聞いた。 【画像】『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』のキャラクターたちの活躍
劇場第4作目とダークマイト誕生秘話
──『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、『僕のヒーローアカデミア(以降、ヒロアカ)』の映画4作目となりますが、制作が決まったとき、堀越先生はどんな反応でしたか? 門司健吾(以下同) 本当ですか? と。ジャンプの漫画のなかでも、オリジナルストーリーの映画を作れる作品は限られています。といっても、『ヒロアカ』はこれまで3作もオリジナル映画を公開してきたので、編集者としては4作目の可能性は十分にあるだろうと思っていました。でも、先生はまだやれるんですね、と驚いていましたね。 ──これまでの3作品はいずれもヒットしていると思うのですが、それでもですか。 そうです。『ヒロアカ』を生み出しても、“自信満々”みたいなところがない先生なので。 ──『ヒロアカ』の映画といえば、堀越先生が総監修を務めることが恒例となっていますが、本作ではどのように関わっていますか? 今回も総監修です。制作が決まったタイミングで、先生も含めた関係者が集まってゼロからブレストしました。『ヒロアカ』の映画はいわゆるパラレルワールドの話ではなく、原作のストーリーラインに挟み込むので、どのあたりの話にしようか、といったところから。 ──本作の時系列はどこに当たるのでしょうか。 スターアンドストライプが作ってくれた、束の間の猶予にあたる期間です。そこが固まったあとは、アニメは1話から、映画も全作携わっている脚本家の黒田(洋介)さんに筋書きを書いてもらって、それをもとに、先生の意見も交えて打ち合わせを重ねていきました。 ──では、先生もかなりストーリー作りに関わっているのですね。本作のヴィラン・ダークマイトは、ヒーローものでは定番といえる、ヒーローにそっくりなビジュアルをした敵キャラクターです。どのような経緯で誕生したのでしょうか。 実は、ストーリーがほぼ固まったタイミングでもダークマイトはいなかったんですよ。完成した映画とほぼ同じ流れの物語までできていたのですが、それを堀越先生に見せたら「これでもおもしろいけど、もう一歩敵役を強められたらいいのに」と。 ──それは、熱い展開ですね。 そしたら、サラサラッとその場で絵を描き始めたんです。たとえばこんな感じの敵<ヴィラン>とか~って。それがオールマイトの偽物みたいなビジュアルでした。ただのマフィアでなく、オールマイトとの関係性が軸として刺さったことで、映画における敵<ヴィラン>たちの存在感がワンランクアップしたと思っています。 ──先生が描きはじめたとき、門司さん的にはキタ! という感じですか。 そうですね。絵を見て、純粋にこれはいいぞと。とにかくビジュアルがおもしろかった。スーツを着て椅子にドカッと座っていて、ワイングラスみたいなものを持っていたと思います。
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