高校生が地域課題解決に挑戦「みらチャレ」 シジミの殻や廃材をアップサイクル(島根・松江市)
山陰中央テレビ
島根県内の高校生などが、地域課題の解決や夢の実現に挑む、しまね未来共創チャレンジ「みらチャレ」。2024年は16のプロジェクトが進行中です。このうち、捨てられる素材を再利用して、地域活性化に取り組む2チームを紹介します。 「みらチャレ」は県内の高校魅力化に取り組む「地域・教育魅力化プラットフォーム」などが2022年から取り組んでいるプロジェクトで、地域課題の解決や地域活性化などに挑戦する高校生に対し、地元企業などからの協賛で集まった資金をもとに、1グループあたり最大10万円を支援します。 3年目の2024年は16のプロジェクトが進んでいて、スタートから約半年が経ち、各チームがイベントやワークショップを県内各地で開いています。 このうち、松江東高校3年の2人は、松江の特産・シジミの殻を再利用しようとする取り組みに挑んでいます。 松江東高校・秋国心愛さん: 「キネティックサンドいう『砂』を使って子ども達とイベントを開催したい」 2人のチャレンジは、本来、廃棄されるシジミの殻を砕いて、子どもが口に入れても大丈夫なオリジナルの砂を作るというもの。雨や曇りの多い島根県で、子どもたちに室内でも「砂遊び」を気軽に楽しんでもらおうと企画しました。 完全オリジナルの砂作りには一苦労。 松江東高校・秋国心愛さん: 「シジミを粉砕した砂をふるいにかけないといけないが、そのふるいにかけるのに何時間もかかって大変でした」 さらさらな砂の感触に近づけるために何度も試行錯誤を続け、半年かけて完成させました。粉末の大きさは、小さいもので約75ミクロン。髪の毛の太さとほぼ同じ細かさです。この日は、松江市内で完成品を使って「サンドアート」作りのワークショップを開催。子どもたちの反応を試します。 ワークショップに参加した子ども: 「楽しかった」 さらに、2人はもうひとつ「サプライズ」を用意。 夜光塗料を混ぜ合わせ、暗闇で光る仕掛けです。 外の「砂遊び」にはない楽しさを加えました。 松江東高校・秋国心愛さん・ 中村美月さん: 「シジミの粉砕から始まって、イベントがうまくいくか不安だったけど、子どもたちもすごい楽しそうにしていてよかった」 今後は、もっと多くの子どもたちに楽しんでもらおうと、大田市の仁摩サンドミュージアムとコラボした企画を検討しています。 廃棄される物に命を吹き込むチームが、もう一つあります。 松江農林高校3年生の村上暖乃さんと目次詩音さんです。2人は、学校の授業で廃材が出ることに着目。工務店から出た端材なども調達し、廃材を利用した楽器作りに挑戦しました。ポイントは、子どもたちでも簡単に音を鳴らせる楽器を作ること。園児と一緒に3種類の楽器を作りました。完成した楽器で演奏会を開くことが最終的なゴールです。 松江農林高校・村上暖乃さん ・目次詩音さん: 「子どもたちの思い出になってほしいし、子どもたちがイベントに参加して、それがいろんな人に広がってほしいので頑張りたい」 11月4日に松江市役所のイベントに合わせて開かれた演奏会。 楽器を一緒に作った園児たちとオリジナルソングを披露しました。 松江農林高校・目次詩音さん: 「わたしたちのオリジナル曲である『お友達のうた』を披露します。子どもたちが楽器を作る中で仲良くなっていく様子を見て、歌詞を考えメロディーを作りました」 イベントに参加した子ども: 「めっちゃ楽しかったです。みんなお友達になれた!」 松江農林高校・村上暖乃さん: 「子どもたちみんなが楽しんでくれたのが見れて安心した」 松江農林高校・目次詩音さん: 「とてもステキな時間だったし、なかなかこういうイベントを主催することもないので、貴重な体験ができた」 高校生の「やってみたい」を実現する「みらチャレ」。 それぞれのプロジェクトが着々と進んでいて、成果発表会は12月14日に開かれます。
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