『トークサバイバー!』佐久間宣行を支えたスタッフたち――ドラマ×バラエティが融合する現場の舞台裏
「あの作品に出るのか」とオファーに恐怖も
キャスティングについて、「シーズン1の際は、過去にないトークパートに役者さんが“?”という感じで難航しました。シーズン2、3はすでに実績があるのでイメージしやすいとはいえ、逆に“あの作品に出るのか”と恐怖のようなものもあったようで、普段より難航しました」と打ち明けるのは、ドラマパートのプロデューサー・堀尾星矢氏。 シーズン3では、ドラマパートの撮影に約2週間をかけた一方、バラエティパートの撮影は4日間。「千鳥さん含めた芸人さんが体力的にもスケジュール的にも通常のバラエティ番組と比べれば一番大変だとは思いますけど、バラエティトークが作品の根幹であって妥協はできないのと、“どうしてもその日しかない”という時は、スケジュールを成立させるのもこのシリーズでは大変でした」と苦心したそうだ。 そうした中でも、「佐久間さんというこの業界の最前線の方とやれることは滅多にない機会なので新鮮かつ刺激的でしたし、普段はテロップやSEやツッコミのタイミング含めここまでこる編集はないので、一つ一つの指示を含めてそのこだわりが面白くとても新鮮でした」と、充実の仕事を振り返った。 ■人気シリーズの勝因は「混在するパッケージ」 バラエティパートのAPは「バラエティでは少しくらい時間が押してもOKみたい空気なのですが、ドラマは時間の配分がきっちりしていて驚きました」とカルチャーショックが。さらに、「役割の縦割りもきちんとされてファミリー感があり、少しうらやましく思いました」と感じたという。 バラエティパートのAD・阿部僚介氏も「バラエティ番組では衣装合わせがないので、大悟さんの衣装合わせに立ち会えたのはとても貴重でしたし、グレーディング(色の調整作業)もバラエティではない工程だったので、ドラマや映画は毎回この作業をしているのかとびっくりしました」と、カルチャーショックを感じた場面を紹介。 合同パートの撮影では、バラエティが弁当を発注することになったが、担当したAPは「気合いを入れて発注したので、演者さんのテンションが上がるとうれしかったです(笑)」と喜びを感じつつ、Netflixがキッチンカーごとケータリングや(食事とは別に温かい飲み物や間食を提供する)クラフトサービスを手配したのを見て、制作規模の大きさを改めて感じたようだ。 全シーズンを担当するドラマパートP・堀尾氏は「シーズン1の時は配信するまで本当に面白いのか実感も沸かず、ここまで人気になりシーズン2、3と続くことは当初は全く想像していませんでした」と本音を吐露。「今でこそ知られていますが、ドラマとバラエティが混在するパッケージという、この新しいフォーマットが勝因だったのかなとも思います」と分析している。