子どもらが“杵”で地面たたいて子孫繁栄願う 伝統の「亥の子まつり」/京都府福知山市
子どもたちが民家の玄関先で、「杵」と呼ばれるわら製の棒を地面にたたきつけ子孫繁栄などを願う伝統行事の「亥の子まつり」が23日、京都府福知山市高畑と水内であり、にぎやかな声が地域に響き渡った。 高畑では毎年、地元子ども会(深田武会長)が取り組んでいる。公会堂で子どもたち13人が、外賀喜代彦さん(87)から杵の作り方を教わり、鬼の金棒の形に似た杵を作って集落内の民家約40軒を訪問。玄関先で「いのこのもちつき祝いましょう。ひとうすついたら祝いましょう」「男の子ができますように、女の子ができますように」と声を合わせて歌い、杵を力いっぱいたたきつけていた。 深田会長は「昨年引っ越してきたので初めて知りました。素晴らしい行事なので途絶えないように続けられれば」と話していた。
約5年ぶりに復活
コロナ禍などでしばらく中断していた水内では、自治会から「伝統行事が廃れないようにしてほしい」と再開の要望を受け、地元子ども会(野村智美会長)が催した。 手刈りした稲を農区に調達してもらい、子どもたち16人が保護者や塩見則和自治会長(71)らと一緒に、杵を製作。稲わらを束ねてひもでぐるぐる巻いて固定させたり、荒縄をくくりつけて頑丈にしたりして、立派なものを作り上げていた。 大正小2年の男子児童と桃映中1年の女子生徒の姉弟は「意外と簡単にできて楽しかった」と話していた。 このあと、子どもたちは4班に分かれて各家庭を回り、「いのころもち祝いましょ」「男の子ができますように祝いましょ」「女の子ができますように祝いましょ」「元気で長生きできますように祝いましょ」などの歌を歌い、杵を地面にたたきつけていた。