ものづくりの技コラボ、ミラノに空間作品出展 富山県高岡市・南砺市の職人や作家
富山県内のおりん職人と菅笠(すげがさ)作家、絹織物作家の技術を融合させた空間や作品が、15日にイタリア・ミラノで始まる世界最大のデザインイベント「ミラノデザインウィーク」で展示される。車の内装を手がけるトヨタ紡織(愛知県)が、職人技から空間デザインのヒントを得ようと制作を依頼。おりんと菅笠、しけ絹の心地良さを体感できる空間などが設けられる予定で、同社は来場者の反応を参考に、ものづくりの新たな可能性を探る。 職人はシマタニ昇龍工房の島谷好徳さん=高岡市、菅笠作家の中山煌雲(こううん)さん=同、松井機業の松井紀子さん=南砺市=の3人。トヨタ紡織が快適な車内空間を追求する中、五感に響く作品に心地良さを根本的にひもとくヒントがあるのではないかと考え、伝統的な職人技術に着目。デザインユニット「今人(いまじん)」の代表で県内で講演経験もある青山尚史さんを通じ、3人に制作を依頼した。青山さんは企画のクリエイティブディレクターを務める。
ミラノデザインウィークは1週間にわたり開かれ、作品は同社のブースに展示する。空間展示は周囲をしけ絹で囲い、中央におりん、その回りにスゲの敷物を置く。おりんの音と連動して空間内が光ったり映像が流れたりする仕掛けになっている。光と音の相関関係やスゲの温かみや触感、絹に包まれる感覚を体験できる展示も行う。制作過程などについての解説もある。 現地に行く予定の島谷さんは「海外の人がどんな反応を見せるのか楽しみ。融合することでの相乗効果も期待したい」と話した。