【戦略なきエネルギー政策の限界】日本の電力・エネルギー業界の危機的状況脱却を説く記事まとめ:おすすめ記事7選
5:<極端な中東依存でガソリン価格はどうなる?>油断できない紛争の影響 数字で読み解く世界の石油輸出入事情(2023年10月26日)
50年前の1973年10月に第4次中東戦争が始まった。エジプト、シリアを支援する中東の産油国はイスラエルを支持する米国、オランダへの原油の輸出禁止を打ち出し、原油価格も数カ月で4倍になった。第一次オイルショックだ。 当時、安価な中東産原油に大きく依存していた日本、欧州の主要国は、エネルギー供給源の多様化、脱石油に乗り出した。 1973年時点で日本の一次エネルギー供給の75%以上は石油、発電の80%近くも石油に依存していた。 オイルショック以降、燃料用石炭の輸入が始まり、液化天然ガス(LNG)と原子力発電の利用も本格化した。最近では太陽光を中心とした再生可能エネルギーの利用も拡大している。日本のエネルギー供給は多様化された――。 中東紛争で原油とLNG供給、ガソリン価格はどうなる
6:【ガソリン補助金が大問題である理由】エネルギー価格高騰への補助金対応は、開発途上国の政策だ(2023年9月12日)
エネルギー価格の高騰に対して、日本ではエネルギー関連の補助金で乗り切ろうとしている。この補助金は2023年9月末までで6兆円、12月まででさらに1.2兆円かかるようである(「ガソリン15年ぶり最高値」日本経済新聞2023年8月31日)。安易に補助金を支給し続けていて良いのだろうか。 これは長期的にはまずい効果をもたらすと言える。なぜなら、多くの人が指摘していることだが、エネルギー価格の高騰は、エネルギーが足りないことを示すものだ。あるいは二酸化炭素(CO₂)の排出を抑えて気候変動を抑制しなければならないのに、価格を抑えていたら、これまで通りエネルギーを使って良いというシグナルを送ることになる。 1970年代初期のエネルギー価格高騰では、日本はエネルギー価格の上昇をそのまま価格に転嫁させていた。その結果、日本は個々の産業でエネルギー節約が進み、また、エネルギー多消費型産業が縮小し、エネルギー節約型の産業が拡大し、全体として省エネ型の産業構造となった。70年代には合理的な政策を採用できたのだが、現在は出来ていない(本欄「東京都の「おこめクーポン」 なぜ物価対策に現物支給なのか」2023年3月29日、でもこのことを解説している)――。 ガソリン補助金は問題大ありの政策である経済的理由