【戦略なきエネルギー政策の限界】日本の電力・エネルギー業界の危機的状況脱却を説く記事まとめ:おすすめ記事7選
2:【再生可能エネルギーをめぐる利権と汚職】国家プロジェクトで正常な市場競争が阻害されたのはなぜか(2023年8月24日)
自民党の再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(以下、再エネ議連)の事務局長を務めていた秋本真利議員が東京地検特捜部による強制捜査を受けた。容疑は贈収賄で、有力な風力発電ベンチャーとされる日本風力開発が計6000万円を秋本議員に支払ったとするもので、日本風力開発は容疑を認める姿勢に転じたようである。 具体的な容疑事実は、日本風力開発が洋上風力の国家プロジェクトの公募制度を自社に有利なものに改変することを画策し、その意図を受けた秋本議員が国会質問を通じて所管官庁である経済産業省へと働きかけたというものである。 容疑が事実であるならば、再エネ議連の国策と世論の追い風を受けた「絶対的正義」という過信が招いたものかもしれない。その過信を醸成したのは、再エネと言えば無批判で支持する世論であり、再エネを持て囃してその欠点をきちんと報道してこなかったマスメディアだったのではないだろうか――。 侵食される国富「絶対的正義」が覆い隠してきた再エネ利権
3:<どうする?日本のエネルギー源>化石燃料か再エネか、数字で見る各国の資源事情から戦略を考える(2023年6月8日)
エネルギー、化石燃料の賦存は世界の中で偏在している。石油資源に恵まれる中東諸国、石炭から天然ガスまで豊富に持つ米国、豪州のような国もあれば、日本、韓国のように資源がなく、化石燃料の輸入に依存せざるを得ない国もある。 世界の多くの国は、エネルギーを自給することが叶わず輸入に依存せざるを得ない。中には、中国のように経済発展に伴い国内資源だけでは需要を賄うことができなくなり、石油、石炭、天然ガス、すべての化石燃料の輸入が必要になった国もある。 世界が発展するに連れ、エネルギー消費量は増加し貿易量も伸びた。エネルギーが途絶すれば、経済も家庭も死に絶えるのだから、エネルギーを輸出する国の影響力は拡大する一方だ。つまり、エネルギーの覇権を握れば世界を動かすことも可能だ――。 脱炭素、脱ロシア、脱中国…エネルギー連立方程式を解け
4:「洋上風力と水素製造で地域創生」の幻想 雇用は生まれず、かさむ発電コストは消費者負担、水素の社会は儚い夢か(2024年2月21日)
先月中部地方で講演の機会があった。講演の中で水素の需要と供給についても触れたが、講演後の質疑応答の際、地方議員の方から次の質問があった。 「地元では洋上風力設備を設置し、その電気を利用した水の電気分解により水素を製造、さらに需要地まで輸送する事業が検討されている。地元での説明では良い事業としか聞いていなかったが、今日の講演で初めて事業の将来はあまり明るくないとの印象を受けた。事業の評価はどうだろうか」 過疎に悩む地域は、発電事業と水素製造により地域で雇用を生み過疎に歯止めをかけると意気込んでいるのだろうが、残念ながら洋上風力と水素製造による地域振興は難しい。 二酸化炭素(CO2)を排出しない洋上風力発電の電気から作る水素は、グリーン水素と呼ばれ脱炭素に必要とされる。しかし、事業については疑問だらけだ――。 「洋上風力と水素製造で地域創生」の幻想 雇用は生まれず、かさむ発電コストは消費者負担、水素の社会は儚い夢か