パドレスの松田熱望の背景にアジア進出戦略
一方、これまでパドレスでプレーした日本人メジャーリーガーは、大塚晶則(現在、中日コーチ)、井口資仁(現在、ロッテ)の2人だけ。どちらかと言えば、日本市場に目を向けていなかったが、今回、オマリー一族の経営参入によって、方針が大きく転換したようだ。 パドレスは、日本を基点としたアジア戦略のスタートとして、この22日に高知の高知市東部野球場でトライアウトを実施することになった。ある程度のレベル以上に参加メンバーを絞った招待トライアウトだが、プレラーGM以下、多くの編成スタッフが来日予定で、NPBの12球団合同トライアウトに参加したメンバーなどに声をかけている。ここで見初められれば、パドレスと、即、マイナー契約を結ぶことができて来春キャンプに参加することができる。メジャー球団が正式なトライアウトを日本で開催するのは異例だ。 このトライアウトと前後して、四国アイランドリーグplusと連携しながら、少年野球教室も開催。パドレスの名前を日本でアピールする。 また今後も、日本でのスカウティング活動を続けていく方針で、元近鉄でプレー、引退後、スカウトに転身、四国アイランドリーグplusの徳島でコーチをしていた武藤孝司氏をパドレスの日本スカウトに任命した。日本から台湾、韓国、中国へと市場を広げていきたい考えで、そのためにも、日本進出のシンボルとして、松田、青木ら日本人メジャーリーガーに狙いを定めている。今後、日本人メジャーリーガー争奪戦になれば、まずパドレスの名前が最初に出てくるようになるのかもしれない。