中国株の「本格的な上昇」十分あり得る、投資家は過小評価-ジェン氏
(ブルームバーグ): 中国が最近打ち出した景気対策を原動力とする中国株と人民元の上昇、同国の債券価格下落は今後も続く見通しだと、ユリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン最高経営責任者(CEO)が指摘した。
ロンドン拠点のジェン氏は27日の顧客向けリポートで「投資家は中国関連のあらゆるものをアンダーウエートにしている。中国株は極端に過小評価されおり、本格的な上昇は十分にあり得る」との見方を示した。
ジェン氏は先月、米利下げで中国企業が1兆ドル(約142兆円)相当のドル建て資産売却に動く可能性があると論じていた。中国政府が大規模な景気刺激策を表明したことを受け、資産家デービッド・テッパー氏といった投資家も中国に対し強気な姿勢を示している。
米利下げなら1兆ドルの「雪崩」、中国企業がドル売り-ジェン氏
こうした政策緩和推進を受け、本土株の指標CSI300指数は先週、2008年以来の大幅上昇となったが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)が9月に実施したグローバルファンドマネジャー調査では、回答者の19%が「中国株の空売り」を最も人気の高い取引の一つに挙げた。
ジェン氏は、中国が景気対策を強化しているタイミングで米金融当局は利下げ局面にあり、原油価格も低水準にとどまっていることから、リスク資産は「かなり順調に推移するはずだ」と論じた。「米大統領選後、年末にかけて世界の株価は力強く上昇するだろう」とも指摘した。
ジェン氏は、米経済が好況や深刻な不況にある場合、ドルが上昇するという「ドル・スマイル」理論の提唱者。米国のインフレ率がゼロに向かって鈍化し「ソフトランディング(軟着陸)」するのに伴い、ドルは対ユーロや円、人民元で下落すると予想している。
原題:‘Serious Rally’ in Chinese Stocks Possible, Says Eurizon’s Jen(抜粋)
--取材協力:Paul Dobson.
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Simon Kennedy