旅先をもっと深く知る、体験旅行のすすめ
星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」では、地域の文化を継承する職人や作家、生産者に出会うご当地文化体験「手業のひととき」を企画している。 【画像】宝の小槌は過程内の災いを払う縁起物。伝統工芸士の伊原実穂氏がデザインした白木の小槌に彩色する。 それぞれの地域への理解が深まる「手業のひととき」から、5つを紹介したい。
【界 霧島】杜氏から教わる本格焼酎と醸造蔵見学
●知れば知るほど、焼酎が好きになる 鹿児島県には110を超える焼酎の醸造蔵があり、それぞれの蔵がこだわりを持って焼酎を生産している。「界 霧島」では、さらなる焼酎の魅力を知っていただくために、ふたつの酒蔵で「手業のひととき」を開催している。 まずひとつが1888年創業の中村酒造場。県内でも3軒のみの石造り蔵のひとつで、「人の手」と「人の技」にこだわり、すべての銘柄を手作業で仕込んでいる。杜氏の中村慎弥氏から、機械を一切使わない過程を学び、焼酎と水を合わせて数日間寝かせた「前割り」を味わう。 もうひとつが、1970年に10社の蔵元が集まって設立した国分酒造。業界初となる、米麹を使わない100%の芋焼酎を製造している。フルーツのような香りが楽しめる香り焼酎など、伝統と革新を両立させる焼酎づくりに賭ける思いを、杜氏の安田宣久氏にうかがう。 【「杜氏から教わる本格焼酎と醸造蔵見学」概要】 期間:2023年3月~2024年2月 時間:飲みくらべは、滞在日1日目。見学は、滞在日2日目 13:00~14:30 場所:見学は、「有限会社 中村酒造場」、もしくは「国分酒造株式会社」にて現地集合・解散 料金:1名 4,000 円(税込、宿泊費別) 定員:1日 1名~5名 予約: 公式サイトにて7日前までに要予約
【界 鬼怒川】200年の歴史を継ぐ黒羽藍染の若手職人による工房ツアー
●藍染の美しさを肌で知る 1804年創業の黒羽藍染紺屋は、江戸時代より藍染の技術を継承してきた。現在は1985年生まれの小沼雄大氏が8代目として、デザインから型紙制作、染め上げまでの全工程をひとりで行っている。 「界 鬼怒川」が企画する「手業のひととき」では、小沼氏の工房を訪ね、「フリ」と呼ばれる創作染めを体験する。自分でデザインした、世界に 1枚だけの手ぬぐいは、後日自宅に郵送される。 続いて、「型染め」と呼ばれる伝統技法のプロセスを小沼氏より学ぶ。デザイン考案から型紙づくり、糊付け、染色、洗い、乾燥など、美しい藍染が完成するまでの工程が理解できる。深い茶色に見える布がどうして鮮やかな藍色に変わるのか、濃淡はどうやってつけるのか。小沼氏のレクチャーを受けてから工房に併設されるギャラリーの作品を見ると、その美しさがさらに際立つはずだ。 【「200年の歴史を継ぐ黒羽藍染の若手職人による工房ツアー」概要】 期間:2023年11月7日(火)、11月21日(火)/2024年1月9日(火)、1月23日(火)、2月6日(火)、2月20日(火) 時間:宿泊翌日 13:00~15:00 場所:「黒羽藍染紺屋」栃木県大田原市黒羽向町88(現地集合解散) 料金:1名 11,000円(税込、宿泊費別) 定員:1日1~6名 受付:公式サイトにて4日前まで受付