日本で教員をめざす学生が、フィリピンで教育実習!? 実習を経て、愛媛大学の学生たちが考える“教員としての役割”とは
フィリピンでの経験を教員志望の夢に乗せて
【田中さんの描く教員としての役割】 小学校の先生を目指している。子どもたちがまた明日も学校に来たい、勉強したい、友達や先生に会いに学校へ来たいと思う、そんな環境を作りたい。そのためには様々な特性のある多様な子どもたちを受け入れるために、自分がもっと多くの多様性を知る必要がある。これはインクルーシブ教育へもつながる。また子どもたちには世界から見た日本や、世界の人々や子どもたちの現状を知って、自分たちが勉強できる恵まれた環境への気づきと共に、自分たちにできることを考える力をつけてほしい。 【松本さんの描く教員としての役割】 現在、学校教育では国際理解教育の推進が重要視されており、子どもたちが異文化に触れて理解を深めていくことが求められている。そこで、今回の経験を教師として子どもたちに伝えることで、ちょっとした異文化体験になったり、教科書だけでなく経験を交えながら生徒に英語を教えることで、より実践的で興味深い授業を施すことが可能になる。 愛媛県をより住みやすい地域にし、他地域にプロモーションしていくという点においても、国際視野を持つことの重要性が見出されるのではないかと考えている。私にとって国際視野とは、日本を客観的に見ること、外国の環境で様々な考え方や発想を学び、固定概念に囚われない柔軟な視野を身に付けることだと感じている。そんな国際視野を持って愛媛県を客観視し、課題や解決策について多角的に考えられる人材で自分もありたいと思うし、子どもたちにも伝えていきたい。近年増加傾向にある在留外国人への対応においても、同様に考えている。 フィリピンを一例に、途上国での教育環境や生活を知ることで、大学生への気づきや異文化に適応する力を養い、違うことを多様性の一つとして受け入れる経験が、今後の彼らの柔軟な思考へと繋がっていくだろう。 現代の国際社会と少子高齢化の日本社会において、地球規模での社会活動への参加が必須とされ、また外国の人々が多く来日すると予想される未来。その中で一人でも多くの若者が国際的視野を広げ、また次世代を担う人材を育成する教員として活躍することに期待できる魅力的な実習である。
JICA四国