日本で教員をめざす学生が、フィリピンで教育実習!? 実習を経て、愛媛大学の学生たちが考える“教員としての役割”とは
学生たちの参加の根源にあるものとは?
参加した学生のうち2名に参加理由と学びを聞いてみた 【教育学部2回生の田中翔真さんの参加理由】 教育を軸にフィリピンの学校訪問などができることが魅力だった。英語で現地大学生へプレゼンできることも良いチャレンジ。ニュースやテレビ番組で途上国の子どもたちが教育を受けられない様子を見た時、自分は当たり前に学校へ行っていた。同じ地球、世界にいるのに、日本は恵まれていて、他の国(途上国)に格差があるのはなぜか気になっていたため、現地で実際の状況を見てみたかった。 【実際の田中さんの学びとは?】 日本以外の教育環境を知ることができた。教科書やノートを使わないこと、机が折り畳み式で最小限のスペースに抑えられていた。また生徒数が多いことから学校が2部制で、同じ教室を2学年が交代で使っていたことなどに驚いた。環境以外では、フィリピンの教員も生徒もとてもフレンドリーで、校舎で僕たちを見かけるとキャーキャー騒いで歓迎してくれた。拙い英語にもかかわらず、一生懸命耳を傾けてくれるフィリピンの人たちに温かさを感じた。実際に現地に来ない分からないことがたくさんあり、特に人と人との生のコミュニケーションの大切さを実感することができた。 【今期で2回目の参加となる教育学部3回生の松本未来さんの参加理由】 去年度参加した際にコロナ感染症の懸念があり、教育実習は実施されなかった。フィリピンの生徒を相手に、英語で授業を教えてみたい、教育環境の違う生徒へ教えてみたいという自分へのチャレンジがあり、今年度の参加を決めた。日本だけにいると、日本の視野でのみ物事を見がちで、格式にとらわれがちだと感じている。新しいアイデアや、自分の中での思考のレパートリーを増やし視野を広げたいという想いがあった。 【実際の松本さんの学びとは?】 教室の環境、授業時間、子どもたちの実態が日本と大きく異なっていたこともあり、実際に日本でやった教育実習より多くのエネルギーを使った。外国語で授業するという難しさがあったが、それと同時に指示の明瞭さや教材の示し方など、子どもたちの興味を引きながら授業を円滑に進めていく方法について学ぶことができた。交通事情や公衆衛生、食文化など日本とかなり異なる点があり、改めて日本を客観視することができるようになった。 2人に共通することは、チャレンジ精神と日本以外を現場で実感することだ。 近年インターネットが身近になり、現場へ行かず外国のこと容易に知ることができるようになった。また英語学習も同様に、留学をしなくともオンラインレッスンや動画学習などパソコンやスマホさえあればできる時代である。その中で、生のコミュニケーションを必要とする現場に身を置いてみたいというチャレンジ精神と好奇心が彼らを掻き立てたよう。実際に自分たちの英語やコミュニケーション能力がどこまで通用するか知ることができ、今後のモチベーションにつながったとともに、自分たちが教員になったときに、少しでも外国、フィリピンでの経験を活かしたいと教えてくれた。