福山雅治、ゆず が相次ぎANN終了 ── 大物が深夜ラジオをやるメリット、デメリットとは
歌手で俳優の福山雅治やフォークデュオ「ゆず」など、人気アーティストが長年続けてきたラジオ番組を終了することが話題を集めている。
23年間の歴史に幕を下ろす「福山雅治のオールナイトニッポン」
福山がパーソナリティーを務めているニッポン放送の「福山雅治のオールナイトニッポン サタデースペシャル“魂のラジオ”」は、92年1月に「福山雅治のオールナイトニッポン」として木曜2部(午前3時~)でスタート。同年10月に木曜1部(午前1時~)に昇格し、98年3月にいったんは終了したが、00年3月に現在のタイトルで、放送時間を変更(午後11時30分~)して復活した。 歌手、俳優として活躍し、女性から圧倒的な支持を集める福山だが、ラジオでは気さくに下ネタトークもさく裂させ、番組は男女を問わず人気となり、首都圏ラジオ聴取率調査では01年10月からの79回中、77回も同時間帯のトップに輝くなどの実績を誇ったが、今年3月28日の放送回をもって23年間の歴史に幕を下ろすこととなる。 一方、「ゆず」も現在パーソナリティーを務めているニッポン放送の「ゆずのオールナイトニッポンGOLD」を3月いっぱいで終了することが明らかに。 98年から00年まで「ゆずのオールナイトニッポン」、09年から現在まで「ゆずのオールナイトニッポンGOLD」と番組を継続してきたが、2月19日の放送で北川悠仁が「3月いっぱいで終了となります」と報告。「これで終わりとは思っていない。少し長めのお休みをもらうつもりで…」と再開に含みを持たせつつも、3月26日の放送が最終回となる。
リスナーだけでなく芸能人からも愛されるラジオの魅力
テレビの誕生以前は娯楽や情報収集の手段などとして隆盛を極め、テレビ登場後も深夜放送ブームなどに乗りドライバーや若者などを中心に影響力を持っていたラジオだが、近年ではインターネットの普及や娯楽の多様化などにより、さらに厳しい状況に追いやられている。 聴取率の低迷やスポンサー離れなど業界を取り巻く状況は厳しくなっているが、それでもラジオを愛するリスナーはもちろん芸能人は多い。 芸能評論家の三杉武氏はこう語る。 「つい先日も女優の南野陽子さんがバラエティー番組に出演した際、『デビューした日からずっと芸能界を辞めたかった』と告白する一方で、自身がアイドル時代にパーソナリティーを務めていたラジオ番組に関しては、なんとか番組の打ち切りを拒もうと、最終回の日に上層部に直談判したことを明かし、『(ラジオは)好きでした。なんの台本もなかったし、自分の言いたいことが言えたし…』と話していましたが、昔からラジオ番組にはテレビ番組にはない自由度があり、ファンとのコミュニケーションの場として重宝している芸能人は多い。とくに、まだテレビ番組では冠番組の持てず、バラエティー番組などでは“団体プレー”を余儀なくされる中堅&若手芸人、歌番組での司会者や共演者とのトークセッションやコンサートでのMCなど多少の機会はあるものの、自分発信で、周囲の状況に気を遣うことなく、トークという形でファンにメッセージを送ることができる状況が少ない歌手やアーティスト、アイドルにとっては、ラジオ番組は自分を表現できる格好の場でもあります」 実際、今やお笑い界を代表する大御所となったビートたけしも売り出し中の頃は自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で多くのファンを魅了し、すでに歌手としては一定の地位を築いていたものの、パーソナルな情報に関してはベールに包まれていた中島みゆきもラジオ番組をやることで新たな魅力を世に知らしめ、さらに多くのファンを開拓した部分もある。 また、現在はテレビ番組でも活躍が目立つみのもんたや小倉智昭、伊集院光はラジオ番組のパーソナリティーをキッカケにブレークしたことは広く知られている。