NHK ラジオ国際放送問題でテレビで謝罪放送「極めて深刻な事態」中国人キャスターの過去の発言を調査へ
NHKが26日、総合テレビで「NHKからのお知らせ」として放送した番組で、同局が19日に短波や衛星でのラジオ国際放送とラジオ第2で報じた中国語ニュースで、外部スタッフの中国人男性キャスターが沖縄県石垣市の尖閣諸島を「中国の領土」などと伝えた問題について「極めて深刻な事態であり、深くおわび申し上げます」と謝罪した。 【写真】国民民主党・榛葉幹事長は中国の「世論工作」を強く警戒 午後5時50分から5分間放送された番組では、同局国際部の山本美希エグゼクティブアナウンサー(54)が出演。ラジオ国際放送の問題の経緯を説明し「今回の事案は、我が国の重要な政策および国際問題に対する公的見解ならびに、我が国の世論の動向を正しく伝えるなどと規定している国際番組基準に抵触するなど、NHKが放送法で定められた責務を適切に果たせなかったという、極めて深刻な事態」として、頭を下げた。 番組では、尖閣諸島が日本の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかで、尖閣諸島を巡って解決しなければならない領有権の問題は存在しないとの政府の公式見解を伝えた。 また、慰安婦問題についても韓国政府との間で解決済みで「性奴隷」という表現は事実に反し、2015年の日韓合意でも韓国側とも確認しているとの政府の公式見解も示した。 さらに「NHKは、このスタッフがこれまでにも原稿にはない内容を一方的に伝えていたことがないかについても、改めて調査していきます」と、中国人キャスターがこれまでに誤った発言をしていないか調査するとした。 番組では「2度とこのようなことを起こさないためにも、NHKラジオ国際放送の中国語ニュースについては、今月20日から生放送ではなく、事前の収録に切り替えて放送していきます。今後、AI音声の活用も併せて検討していきます」と、再発防止策を示した。 制作体制やチェック体制の強化、管理体制の抜本的な見直しを実施、国際放送に対するガバナンスを強めるとして「信頼回復に努めてまいります」とした。 NHKによると、中国人キャスターは英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女は戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と発言した後、中国語で「釣魚島と付属の島は古来、中国の領土です。NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と述べた。靖国神社で落書きが見つかった事件に関するニュースで、原稿にはない「『軍国主義』『死ね』などの抗議が書かれていた」との文言を一方的に加えた。 (よろず~ニュース・杉田 康人)
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