女性参政権記念日イベント 男女平等を目指し闘った歴史受け継ぎ次世代へ
78年前の4月10日は、日本ではじめて女性が参政権を行使した日だ。1946年の同日、戦後初の衆議院議員選挙で約1380万人の女性が投票し、39人の女性国会議員が誕生した。その女性参政権記念日に、パリテ・キャンペーン実行委員会、WAN(ウィメンズアクションネットワーク)、上智大学グローバル・コンサーン研究所の共催で「#今こそパリテ!政治を50/50に」をスローガンに掲げ、東京・上智大学内でイベントが開催された。
日本における女性学の草分け的存在である上野千鶴子氏(WAN理事長)は、フェミニズムの歴史を振り返った。日本では70年から始まったとされ、性別役割からの解放を目指すウーマンリブについて、「日常を戦場に変えた。たとえば保育所から電話がかかってきて、子どもが熱を出したという。迎えに行くのはあんたか私かどっちか。これが(日常の)戦場。ここから逃げるなと言ってきた」と説明。また「痴漢は犯罪です、というポスターを見たときは感動した。それまでは痴漢があって当たり前、痴漢にあわないお前に価値はないとすごいことを言われてきた。女性が声を上げることにより、セクシュアルハラスメントも不法行為になったし、DV(ドメスティックバイオレンス)防止法もできた」と、社会を変えてきた運動の成果を評価した。 助産師で性教育YouTuberのシオリーヌこと大貫詩織氏とGeNuine代表で上智大学学生の徳田悠希氏も登壇。先人たちが権利獲得や差別撤廃のために切り拓いた道について、大貫氏は「先輩方の頑張りによって、建前上は差別的なことを言ってはならないとか女性を性的に扱ってはならないという社会の空気を作ってくださった」と過去の運動に敬意を表明。「私は大学院に通い、家族の大黒柱として稼いでもいる。今は女性も選挙に行けるし、女性がキャリアを積むことや家族の大黒柱になれるくらい社会で働ける。でもそういったことが当たり前ではなかった時代があるということを忘れてはいけないと思う」と語った。 徳田氏は「女性たちが必死に闘って作ってきた歴史を、どうやって私たちが後退させずにもっといいものにしていくか。きっと私たちくらいの世代が今から考えていくことが、本当に重要になってくる」と提言した。 上野氏は「(女性を差別してはならないという)建前に変えてきたということは一つの大きな成果だった。人間を全員聖人君子にすることはできない。腹の中のどす黒いものや妬み、そねみを人間からなくすことはできないと思ってる。だけど建前が変わることが社会変革。法律ができることで建前を変えられる」と述べた。