「盛りすぎ」感も漂う2ドアクーペ BMW M2 長期テスト(1) 路面の管理状態の悪さを実感
路面の管理状態の悪さを実感させる
見た目は、通常の2シリーズ・クーペと大きく差別化されている。アグレッシブなデザインといえ、好き嫌いがわかれそうではある。その1つが、M240iなどより拡大された、角ばったキドニーグリル。とはいえ、M4と比べれば抑制されてはいる。 リアバンパーの両サイドも、かなり鋭角的。4本出しのマフラーが威圧的だ。 インテリアは雰囲気が良い。スポーツシートは充分大きく、着座位置は低く、心地良い。インフォテインメント・システムにはロータリーダイヤルが備わり、タッチモニターが指紋で汚れる頻度は少ない。 筆者の第一印象は、路面の管理状態の悪さを実感させるな、ということ。一見細かなツギハギに見えるようなアスファルトの窪みも、大きなクレーターのように感じてしまう。速度域の低い市街地では、車内はかなり揺さぶられる。 滑らかな路面へ出くわせば、後輪駆動のスポーツカーらしい楽しさを堪能できる。直感的でスリリングだ。 既に、ガソリンスタンドの領収書は増えつつある。3.0L直6ツインターボの燃費は、あまり芳しくないようだ。長期テストならではとして、ランニングコストも詳しく取り上げてゆきたいと思う。 BMWの内燃エンジンを搭載した、後輪駆動のスポーツクーペとの暮らしが、楽しみなことは間違いない。新世代のM2を生み出してくれた、BMWには敬意を評したい。筆者の高い期待へ、G87型は応えてくれるだろうか。
セカンドオピニオン
新しいBMW M2が採用したプラットフォームは、先代よりかなり長く、幅も広い。ゆえに、公道を思い切り駆け回りにくくなったことは否定できない。 ジェームスは、一方通行が多い入り組んだロンドンの市街地で、気を使うことになるだろう。ダイヤモンドカットされたアルミホイールは、最後まで傷つけずに済むだろうか。 ジョナサン・ブライス(Jonathan Bryce)
テストデータ
■英国価格 モデル名:BMW M2 クーペ(英国仕様) 新車価格:6万2420ポンド(約1248万円) テスト車の価格:6万6885ポンド(約1338万円) ■オプション装備 Mドライバーズ・パッケージ:2305ポンド(約46万1000円) ドライビング・アシスタント・パッケージ:1100ポンド(約22万円) M2コンフォート・パッケージ:730ポンド(約14万600円) Mアルミホイール:330ポンド(約6万6000円) ■テストの記録 燃費:10.2m/L(WLTP値) 故障:なし 出費:なし
ジェームス・アトウッド(執筆) 中嶋健治(翻訳)